失明(しつめい)は、
目で考えられる症状の中で、
最も最悪のケースです。
基本的には、生まれつきの目が見えない状態ではなく
「元々は目が見えていた人が何らかの原因で目が見えなくなってしまった状態」を
失明と言います。
元々は見えていたわけですから、
想像を絶する辛さがあると思いますし、
今現在、目が見えている人にとっては
できる限り避けたいことであると思います。
では、失明の原因や治療法などについて、
お話していきたいと思います。
どのような状態?
失明とは、”目が見えない状態”です。
つまり、何も見えない、ということですね。
片目だけを失明している状態を半盲、
両方とも失明してしまった状態を全盲と言います。
半盲の場合は、もう片目は見えている状態ではありますが、
片目しか見えていない、という状態は、非常に大きな負担に
なることは間違いありません。
ちなみに、”失明”というと、
何もかもが見えていない状態、というものを
思い浮かべると思いますが
実はそうではないのです。
それも含めて、下記で失明について、
順番に失明していきます。
失明とされる状態は?
失明とされる状態は、目が完全に見えなくなってしまう、
という状態だけではありません。
実は、下記のようなものも定義上「失明」に含まれるのです。
何も見えない状態はもちろんですが
その他に光覚弁、手動弁と呼ばれる状態が
“失明”の中に含まれます。
これらに関しては完全に目が見えない状態ではなく
「ほとんど見えない」という状態なのですが、
これも失明として扱われます。
一応、どんな意味を持つものなのかと言うと、
「光覚弁」のほうは、明暗の区別は可能な状態を言います。
明暗の区別が可能、と言っても、明るい、暗いがおぼろげに
分かる程度なので、日常生活には大きな支障を生じますし、
国内では失明として扱われます。
もう一つの「手動弁」というものに関しては
目の前にある手の動き程度であれば、把握できる状態を言います。
ただし、こちらもほとんど何も見えない状態であることに
変わりはないので、こちらも失明として扱われる、
ということですね。
目の前の指の本数まで数えられる状態は「指数弁」と
呼ばれており、こちらに関しては「失明」としては
扱われません。
指数弁…つまりは、目の前の指の本数が見えなくなった時点で、
失明として、扱われる、ということになります。
失明の原因は?
失明には、当然原因があります。
生まれつきのものは、基本的には失明ではなく、
別の呼び方をすることも多いようなので、
こちらでは「後天性の失明」に絞ってお話していきます。
失明の原因としては
大きくわけて2つ。
日本においては「病気」か「外傷」のどちらかでしょう。
海外などの途上国などでは、栄養不足などの失明も
あるようですが、日本においては、そういったことは
まずないと思いますから、
基本的には「病気」「外傷」が原因になります。
外傷は、その名の通り、目そのものを怪我
することです。
怪我の程度によっては失明に至ることもあるので、
なるべくであれば、目を怪我しないようにしておくことは
とても大切なことであると思います。
一方、病気に関しては、色々なものが
失明の原因になり得ます。
最終的に失明に至ってしまう目の病気は
たくさんありますが、
下記のようなものに関しては、特に注意をしなくてはなりません。
・網膜剥離(もうまくはくり)
・白内障(はくないしょう)
・緑内障(りょくないしょう)
・糖尿病網膜症(とうにょうびょうもうまくしょう)
・ぶどう膜炎
・トラコーマ
・加齢黄斑変性(かれいおうはんへんせい)
・角膜関係の病気
このあたりは、最悪の場合、失明に至ってしまう
可能性のある病気たちになります。
ただし、どの病気に関しても、適切に治療を行うことができれば、
基本的には失明を免れることが可能です。
が、放置しておけば、どの病気も最終的に失明
してしまい、目が見えなくなってしまいますから、
それぞれの病気だと診断されたり、疑わしいことがある場合に関しては、
しっかりと眼科で診察を受けて、
対応してもらうようにしてください。
適切な治療を行わなかったり
放置していると、失明する可能性は充分に存在します。
視力を取り戻すことはできるの?
一度失明してしまった人間が、
視力を取り戻すことはできるのかどうか。
これは、基本的には不可能です。
一度、失明してしまった目が、再び視力を取り戻す、
ということは、今の医術ではできません。
そのため、大事なことは
避けられる失明は避けるようにしなくてはならない、
というところになるかと思います。
が、ごく一部に例外が存在しており、
その例外とは白内障などの一部の病気が原因で
失明している場合、ですね。
白内障などの場合は、失明状態になってしまっても、
手術を行うことで、再び光を取り戻すことが
可能になっています。
ただ、基本的には一度失明してしまうと、
光を取り戻すのは難しい、ということは
覚えておいた方が良いでしょう。
予防するためには?
失明してしまうことを予防するためにはどうしたら良いか。
もちろん、予防できる場合と、どうにもならない場合が
あると思います。
しかしながら、できる限り人生の中で失明する可能性を
減らしていく、ということは不可能なことではありません。
「外傷」と「病気」に
気を付けることですね。
外傷に関しては完全に自分自身の注意の問題なので、
目は特に大切な部分であるとしっかり意識しながら
守って行くようにしましょう。
病気に関しては、
どの病気に関してもそうですが、
「おかしいな」と感じたら早めに眼科で診察を
受けることが重要になります。
緑内障にしても、白内障にしても、網膜剥離にしても、
現代では、失明の原因になる病気を治療したり、
失明まで進行しないように抑えることは可能です。
放置しておけばおくほど、症状は悪化していき、
さらに、治療が難しくなります。
場合によっては視力障害が残ってしまうことも
ありますから、病気の予防としては
”おかしいな”と感じた時点で早めに眼科の診察を受けること、
そして、治療を開始したらしっかりと最後まで
治療を行うこと。
これが、大切になりますし、失明を防ぐための
方法になります。
機能的な失明とは?
失明ではなく「機能的な失明」というものも
存在しています。
機能的な失明とは、通常の失明とは異なり、
目の視力自体は残っているのにも
関わらず、目が使えなくなってしまう、という状態です。
眼瞼痙攣などに見られる症状で、
目を開けられなくなってしまい、結果的にものが
見えなくなってしまう、
目を使うことができなくなってしまう、というのが
機能的な失明、というものになります。
これはこのページで確認している失明とは
別の問題で、治療方法もいくつかあるのですが
確実な治療方法が現時点では存在していないのも事実です。
光を眩しく感じたり、目を開けると痛みを感じたり、
そういった症状が出て、目をあけることが困難になってしまい、
大変辛い生活を強いられることになります。
まとめ
避けられる失明、に関しては可能な限り
避けたいところですよね。
失明を避けるためには、
病気や外傷に気をつけながら、健康的な生活を
送っていくことが大切になります。
現代においては失明の原因となりうる病気は
治療、もしくは進行を食い止めることが
できるようになっていますから、
しっかりと眼科で治療を行い、
最悪の状態、失明を避けるように
していきましょう。
元々見えていたものが見えなくなる。
これは、とても辛いことです。
想像を絶する苦労がそこにはあります。
避けられる手段があるのであれば、それを全力で
試していくしかありません。