緑内障・・・
数ある目の病気の中でも、恐ろしい病気の一つです。
最悪の場合は失明することもあるほか、
進行した分は、二度と回復することのない病気ですから、
早めの治療が必要になる病気です。
また、初期の時点では、自覚症状が少ないこともあり、
危険な病気の一つになっています。
こちらの記事では緑内障の原因・症状・治療法・検査方法などに
ついて、詳しくご説明していきたいと思います。
緑内障とは?
緑内障は、目から入ってきた情報を脳に伝達する
視神経に異常を生じることにより、様々な視覚障害を起こす病気です。
主に眼圧の上昇により、この視神経の異常を招きます。
症状の進行が遅いのが特徴ですが、
初期段階では自覚症状が少なく、自覚症状が出てきた時点で、
既に緑内障がかなり進行してしまっている可能性があり、
早期発見が難しい病気です。
また、最悪の場合は失明にいたる病気であり、
日本における失明原因の上位に位置する危険な病気です。
治療を行うことにより、進行を食い止め、失明を防ぐことは可能ですが、
一度進行してしまった部分に関しては修復が困難なため、
早めに発見することが鍵となります
種類と原因は?
眼圧が上がり、
視神経に異常が生じる、と言ってもどうしてそうなってしまうのか?
気になるところですよね。
緑内障には、色々な種類が存在していますが、一部の緑内障は
どうしてそうなってしまうのか、ということに関しては
具体的には分かっていないようです。
原因となりうるものとして、
加齢、糖尿病、自律神経失調症、高血圧、近視、遺伝などが
挙げられていますが、決定打となる原因については、不明です
・原発開放隅角緑内障
緑内障の中でも一番多いのがこの緑内障です。
目の中の水・房水の出口である線維柱帯という場所が徐々に
目詰まりしてしまうことにより、眼圧が上昇し、緑内障になります
・正常眼圧緑内障
眼圧の数値は正常であるにも関わらず、緑内障の症状を
発症することがあります。それを正常眼圧緑内障と呼びます。
・発達緑内障
生まれつき目の中の水路が未発達であることにより
眼圧が上昇するタイプの緑内障です。
・続発緑内障
これは、他の病気や薬の副作用により、眼圧が上昇することによる
緑内障ですね。この場合は原因がはっきりしています
網膜剥離、炎症、外傷など、他の目の疾患がこの緑内障を招くことがあります
・原発閉塞隅角緑内障
隅角が狭くなり、水の流れが妨げられることにより、
眼圧が上昇するタイプの緑内障です。
こちらは「急性」のものもあり、急性の緑内障の場合、
短期間で失明にまで進む可能性があるため、非常に危険な緑内障です。
(急性緑内障発作については別記事で解説しています)
このように、たくさんの種類がありますが、
基本的には”眼圧が上昇することによる”病気です。
ただし、眼圧が上昇してしまう原因については不透明です。
症状はどんな感じ?
緑内障の症状には、どのようなものがあるのでしょうか。
初期の段階では何の自覚症状もないことがあるほか、
進行が非常にゆっくりなため、気付くのが遅れてしまうことも
多いのが、この緑内障です。
主な症状は、視野欠損(視野が狭くなり、見える範囲が狭まります)となり、
症状が進むことにより、失明する場合があります。
場合によって、光のにじみ、頭痛などの症状が出ることも
あるようですが、これはごく稀なことで、ほとんどありません。
一方で、急性の緑内障と言うものも存在し、
急性の場合は、激しい眼痛、頭痛、視力の低下などを伴う場合が
あります。
怪しいなと思ったら?
緑内障は自覚症状が初期の段階ではないため、
緑内障だと思って眼科を受診することは少ないでしょう。
もしも、視野の欠損などを自覚した場合は、既に
緑内障がかなり進んでいる可能性もありますから、
早急に眼科の診察を受けるようにしましょう。
一方で急性の緑内障の場合、上でも書いた通り、
急激に異常が現れますから、すぐに眼科を受診しましょう。
また、緑内障の予防として、ネットなどでも
緑内障の自己チェックが出来るサイトなどもありますから、
そういったものでチェックしてみるのも良いかもしれません。
検査方法は?
緑内障を発見するための検査は、「眼圧検査」と「眼底検査」になります。
眼圧検査に関しては、眼の表面に空気を当てて、
眼圧の数字を測定します。
空気を当てるだけで済む検査で、痛みはありません。
一方の眼底検査は、
瞳孔を開く薬を点眼し、眼底の確認を行う検査です。
これも、痛みはありませんが、
検査後は、しばらく光をまぶしく感じたりするため、
車などでの眼科への来院は避けましょう。
視神経の状態を確認するために行われる検査です。
通常、この2つの検査で緑内障の判断を行います。
一方、緑内障だと判明した場合は、
緑内障の進行具合を確認するための検査
視野検査などを行い、どのぐらいの視野欠損があるかを確認します。
ほか、緑内障のタイプを判別するための
隅角検査を行うこともあります。
緑内障の治療は?
緑内障の治療は、初期段階であれば、眼圧を下げるための薬を
利用することで、経過観察を行います。
点眼薬や内服薬などで、眼圧が低下し、進行が止まるかどうかを
確認しつつ、治療を行っていくかたちですね。
点滴などで眼圧を下げる場合もあります
点眼薬などで、眼圧の降下が認められない場合や
症状が進行する場合は、レーザーによる治療や、
手術を行う場合があります。
手術の方式はいくつかの種類があり、
このあたりに関しては、担当医の先生が判断し、
案内してくれると思います。
手術により、眼圧を下げ、緑内障の進行を止める、というものに
なりますね。
緑内障の手術時間は、通常であれば30~60分程度になるようです。
麻酔を用いて手術を行うため、
通常、痛みは発生しません。
緑内障の手術のタイプにより異なりますが、日帰りが可能な
場合もあります。
手術後に前房出血、白内障進行、感染症、網膜剥離、眼圧の不安定などが
起こる可能性もあるので、稀ではありますが、
しっかりと経過観察を行う必要があります。
治っても再発の可能性も
緑内障は、再発する可能性もあります。
手術で眼圧を一旦下げたとしても、数年後などに
再び眼圧の上昇が見られた場合は、再度手術を行うことに
なる場合もあります。
一度、緑内障になってしまった場合は、一度眼圧が
下がった後も、定期的に眼科を受診して、眼圧の上昇が
ないかどうかを確認する必要があります
失われてしまった視野は?
緑内障の症状によって失われてしまった視野は
現在の医療では回復することができません。
あくまでも上記の治療は”これ以上緑内障の症状が進行しないためのもの”であり
手術をしたら、今までに失われた視野が戻ってくるだとか
そういうことではないので、なるべく早い治療が
必要になる病気です。
一度消失してしまった視野を元に戻す方法はないので、
緑内障が”完治”することはない、ということになります。
予防方法はあるの?
緑内障の予防方法としては、生活習慣のバランスを崩さないように
気をつけないこと、ストレスを溜めないように気をつけること
などになるでしょうか。
緑内障を100パーセント防ぐ、ということはできませんが、
少しでも可能性を下げるのであれば、それらが有効的な
手段になります。
また、初期症状が少なく、発見しにくい病気のため、
定期的に眼圧検査を受けるなどして、
緑内障の早期発見を行うことも、緑内障予防の
大事な方法になります。
放置すると失明する?
緑内障を放置してしまうと、
視野が徐々に失われていき、最終的には
失明することになってしまいます。
失明する前に、視野の異常には気付くと思いますが、
視野の異常に気付いたときには、
既に緑内障は進行していますから、
上でも書いたように、定期的な検査をおすすめします。
視野の欠損を自覚した場合、
それ以上放置することは非常に危険です。
必ず、早めに眼科の受診をすることをおすすめします。
まとめ
緑内障は非常に危険な病気であり、
完治することは難しい病気です。
一度失われた視野はもう元に戻ることはありませんから、
しっかりと検査を行っておくと共に、
少しでも視野に異常を感じた場合、早めに眼科を受診して
眼圧を下げる治療を行うことが
大切になります。
眼にもいろいろな病気がありますが、
緑内障は、その中でも危険な病気です。
ただし、しっかりと早期発見すれば、失明することはなく、
食い止めることもできますから、
適切な治療を行うようにしましょう。