アッシャー症候群とは?耳と目に影響を及ぼす遺伝子疾患!

アッシャー症候群…。
あまり聞きなれない名前だとは思いますが、
皆様はご存知ですか?

この病気は、遺伝子が原因の遺伝子疾患で
生まれつき発症し、徐々に症状が出てくる、
というものになっています。

主に難聴と視力障害を伴うもので、
目だけの症状ではありませんが、
目も含めて、重大な影響を及ぼす可能性のある
病気になっています。

難病指定もされている病気で、
大変難しい病気です。

この病気について、詳しく見ていきましょう。

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どのような病気なのか?

先天性の遺伝子異常により発症する病気で、
いくつかの種類がありますが、主に難聴と視力低下を
伴う病気となっています。

現時点では治療法が確立されておらず、
現在、研究が進められているとのことです。

10万人に数人、と言われており、
そこまで髙い確率ではありませんが、
このアッシャー症候群に苦しんでいる方が
いらっしゃるのも事実です。

なお、生まれつきに気づいていなかった場合を除き、
大人になってから急に
アッシャー症候群になってしまったりだとか、
そういうことはありません。

原因は遺伝子によるもの

まず、原因のお話。
原因は、先天性の遺伝子異常で、
いくつかの種類の異常が今までに発見されています。
それによりタイプ1,2,3に分類されており、
それぞれ症状などが若干異なっています。

なお、発症の原因が”遺伝子異常”ではありますが
それを防ぐ手段がないため、
アッシャー症候群にならないためにはどうすれば?と
言われれば、どうすることもできない、というのも事実です。
ただ、運命に身を任せるしかない、と
そういうことになってしまいますね。

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症状はどんな感じ?

アッシャー症候群は、主に難聴と視力障害を
中心とした病気になりますが、
その中でも「タイプ1」「タイプ2」「タイプ3」と
分類されており、そのタイプによって症状が
少しずつ異なって行きます。

まず、タイプ1に関しては
生まれつきの重度の難聴、目の症状(10歳前後から)、
平衡感覚の乱れなどの症状が出ます。
目の症状に関しては小さいうちはないのですが、10歳前後から
視野が狭くなる、モノを読めない、読みにくくなるなどの
症状が出現してしまいます。

次に、タイプ2。
タイプ2の場合、平衡感覚に関する症状は出ない場合が多いようです。
難聴は生まれつきありますが、こちらのタイプの場合は
高音の難聴になるため、高音になるほど音が聞き取りにくくなる、
という特徴があります。
視覚障害に関しては思春期以降に発症することが多いようです。

最後にタイプ3と呼ばれるものは、
進行性の難聴になり、視覚障害や平衡感覚の障害は、
人によって出現が異なります。
タイプ3の患者数はタイプ1、タイプ2と比べると
少ないという傾向が出ています。

どのタイプの場合も、まとめると、
主症状は3つおなります。

・耳の症状(難聴)
・目の症状(網膜色素変性)※網膜色素変性の詳細はこちら
・平衡感覚に関する異常

この3つの症状になりますね。
これらが、年齢によって変化しながら、
重くのしかかってくることになります。
重症化した場合に関しては、日常生活に
支障が出てしまうこともあるのです

おかしいな?と感じたら?

もしも日常生活の中で、難聴や視力低下などを
感じた場合、それまで何ともなかった!というケースでは
この病気の可能性は低いとは思いますが、
それでも、他の目の病気や耳の病気もたくさんありますから
症状が続くようであれば、しっかりと対応する病院を
訪れるようにしましょう。

何事も放置しておくことで、
この病気に限らず、発見が遅れてしまい、
結果的に治療が難しくなったり、本人が一番苦しむことに
なったりします。

検査はどんなことをするの?

アッシャー症候群の検査は、主に3つの部分を
調べる必要があります。

それは、
遺伝子系統の検査、目の検査、耳の検査ですね。

まず、最初の遺伝子検査に関しては
遺伝子異常を検出するための検査となり、
原因となる遺伝子の特定などのために行われます。

目の検査に関しては
目の定番の検査・眼底検査が行われるほか、
視野検査などの検査が行われることになります。
大きな痛みなどを伴う検査は行わないと思いますから
その点は安心して下さい。

そして、耳の検査。
聴力検査やめまいの検査などを行い、
どのぐらいの音を聞き分けることができるのかを
確認していきます。

これらの検査の総合的な結果から
アッシャー症候群かどうかを判断され、
その後の治療方針を決定していくことになります。

場合によっては、複数の病院での検査などが必要に
なるようなケースもあるかもしれません。

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治療方法はどんな感じ?

治療方法としては、
目に出ている症状と耳に出ている症状の治療になります。
現時点では、根本的な治療方法は解明されておらず、
アッシャー症候群の原因となっている
遺伝子異常を治療することはできません。
そのため、目の視覚障害、耳の難聴。
これらを個別に治療していくかたちになります。

まず、目の方ですが、
症状に応じて点眼剤や内服薬の処方が行われるほか、
遮光眼鏡や各種補助器具などを用いて
日常生活になるべく支障がでないようなかたちで、
対症療法を行います。
目の視覚障害自体も、根本的に治療することは難しいため、
このような対応が基本的です。

耳の方に関しても、
根本的な治療(耳の聴力を回復させる)などは
非常に困難なため、こちらに関しても、
対症療法がおこなわれることになります。
症状の進行に応じて、日常生活に支障が出るような
レベルになってしまった場合は、
補聴器の利用や、人工内耳の利用が
検討されることになります。

これらの治療法により、目と耳の状態を
出来る限り保っていく、というのが一般的です。

根本治療に関しては、今現在も研究が続いており、
まだまだ先の話にはなってしまいますが、
いつの日にか、アッシャー症候群そのものを
治癒できるような時代もやってくるのかもしれません。

とは言え、現時点ではそのような方法はありませんから、
大変つらい病気ですが、それと、長い間付き合って
いかなくてはなりません。

放置しておくとどうなる?

アッシャー症候群の症状を放置しておくと、
当然のことながら視覚障害や難聴が進みます。
進行などに関しても、人によって大きく異なるため
一概に言うことはできないのですが、
耳も、何の対処もしなければ、最終的にほとんど聞こえないような
状態になってしまう可能性は否定できませんし、
目の方に関しても同じです。

小さい頃からこの病気だと分かっている場合は、
やはり放置することなく、しっかりと症状に応じて
病院に通わなくてはいけないと思いますし、
大人になってから何らかの異変に気付いた場合、
この病気に気付いた、という可能性もありますが
他の病気の可能性もありますので、
より注意して、一度は病院で診察を受けておいた方が
良いでしょう。

根本治療が困難な病気だから放置しておいても良いのか?
と言われれば、そんなことはありません。
根本治療が出来ない病気だからこそ、上手く、定期的に”調整”
しなければならないのです。

まとめ

目に関係する病気もいろいろあります。
このアッシャー症候群もその一つですね。
視覚障害のほかに、難聴や平衡感覚の乱れも伴い、
明確な治療方法も確立されていない、非常に辛い病気です。

患者様本人は、長い間、この病気と向き合うことに
なりますし、周囲に居る方々も、この病気のことは
知っておき、対応できるようにしておくと
より良いのではないか、と思います。

研究は進められているとのことなので、
いつの日か、根本的治療が可能になることを
祈るばかりです!

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