網膜色素変性とは?網膜に異常が見られる遺伝性の病気!治療法は?

数千人に一人の割合で発症していると言われている
目の病気が、
網膜色素変性(もうまくしきそへんせい)です。

主に、3つの症状を伴う病気で、
夜に目が見えにくくなる夜盲(やもう)、
視野が狭くなってしまう視野狭窄、
視力低下の症状を伴う病気です。

こちらでは、この病気についての
原因・治療方法・検査方法などをそれぞれ順番に
解説していきたいと思います。

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どんな病気なの?

網膜色素変性は、網膜の中に存在する光を感じる2種類の
細胞が、順番に異常をきたし、夜盲や、視力低下などの
症状を発生させる、というものになっています。

症状は数十年をかけてゆっくりと進行していくタイプのものに
なっており、基本的に急激に失明してしまったりすることは
ないのですが、最終的に失明に至ってしまうケースも
存在するため、しっかりと医師による診察を受けることが
大切な病気になっています。

また、治療法については後述しますが、
現時点で、この病気を根本的に治療することは難しく、
症状を和らげたりすることを目的とした治療が
行われる、というかたちになりますね。

原因は遺伝性によるもの

こちらの病気の原因は”遺伝”によるものとされています。
遺伝が原因なので、自分で予防する方法はなく、
誰にでも発症してしまう危険のある病気であることは確かです。

発症しやすい性別などに関しては特にはなく、
年齢も幼少期だったり、40代だったりと様々です。
症状の進行速度などについても個人差があり、
幼少期からの発症で、重度なケースだと、何十年後かに
この病気が原因で失明してしまうケースなどもあるようです。

ただし、この病気にならないために、
何ができるか、と言われれば、特に何もできません。
もしも発症してしまった場合に関しては
しっかりと病気と向き合い、治療を続けていくことが
大切になります。

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主な症状は3つの症状

網膜色素変性の症状としては、記事の最初のほうにも書きましたが
3つの症状が中心になります

・夜に視界が見えにくくなる「夜盲(やもう)」
・視野が狭くなってしまう「視野狭窄」
・視力低下

となりますね。
最初は夜盲から始まり、進行していくにつれて視野が狭くなったり、
視力が失われたり、徐々に症状が出てきます。
そして、最後には「失明」してしまうという恐ろしいものに
なっていますね。

また、あかるいところで「まぶしい」と感じる人も居るようです。

これらの症状は基本的に年単位、あるいは数十年単位
かけて進んでいき、ゆっくりと視野が狭くなっていったり、
視力が低下したりしていく、というものになっています。
最悪の場合には失明してしまう可能性もあるものですが、
この病気になってしまったからと言って、100パーセント
失明するものではありませんので、そのあたりは、
安心、というわけではありませんが、必要以上に深刻に
考えるよりも、前向きに考えたほうが良いかと思います。

なお、合併症として「白内障」を発症する可能性も高い病気です。
こちらも視力低下などを伴う病気ですが、
白内障に関しては治療方法も確立されているので、
こちらは治療することが可能です。
検査などで白内障が見つかった場合慌てることなく
医師の方と相談して、対処していきましょう。
白内障について詳しくはこちらをご覧下さい!)

怪しい症状が出てきたら?

夜、見えにくくなってきたなぁ、だとか
視野が狭くなってきたなぁ、だとか
そういう”怪しい症状”を感じるようになってきた場合は、
ただちに眼科で検査を受けることをおすすめします。

少しずつ、であれば早急に、とは言いませんが、
時間があるときに、眼科は受診しましょう。

また、急激な視力低下や急激に視野に異常が
見られるようなケースは、この病気ではなく、
もっと緊急性の高い病気である可能性もあります。
中には一刻の猶予も許さないようなものもありますから
そういう場合は、早めに眼科に連絡し、
眼科に足を運びましょう。

眼科ではどんな検査をするの?

眼科では複数の検査を行う場合がありますが、
まず、基本的には「眼底検査」を行います。
(※眼底検査の詳細はこちらをご覧下さい!)
上記の症状だけではこの病気であると断定することはできませんから
眼底の様子を検査で確認することになりますね。
瞳孔を開く薬を点眼しますが、痛みなどは一切ない検査です。

その後、視野の状態(狭くなっているかどうか)などを確認する検査、
視野検査が行われ、
夜盲の度合いを調べる検査や網膜電図による検査も行われる場合があります。
それらから、症状の進行具合や、この病気かどうかを確認することになります。

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根本治療は難しい…。治療法はどんな感じ?

網膜色素変性の根本的な治療は現時点では方法が見つかっておらず、
非常に難しいのが現実です。
今後、研究などが進めば、根本的な解決もできるようになるかもしれませんが
今の時点では、根本治療を行うことはできない、ということですね。

そのため、投薬治療が中心となり、ビタミン各種の点眼薬や、
血液拡張薬、網膜循環改善薬などが処方されることになります。
また、医師による経過観察が欠かせません。

強い光を避けるようにして進行を遅らせることも
可能になっているようですね。

ただ、いずれに関しても”確実に効果がある”という
実証を得られていない、というのが現状になるようです。

失明してしまう可能性は?

この病気は、失明してしまう可能性もある病気です。
発症が若ければ若いほど、その後の人生も長いわけですから
その後の危険性も増していきます。
ただし、この病気になってしまったから必ず失明するのか?
と言われれば必ずしもそうではありません。
失明せずに、そのまま視力をある程度は保っている人も居ます。
ただ、逆に失明してしまう人が居るのも事実です。

眼科や病院でしっかりとした診察を受けて
しっかりと経過観察を行うことが自分の目を
守るための鍵となるので、面倒くさがらずに、
しっかりと診察を受けることが大切になります。

なお、発症したから即座に失明、とかそういうことでもなく、
失明する、しないも人によるので、
あまり深く、重く考えすぎてしまうのも
かえって精神的にはよくないですから、
思いつめないようにすることも大切になります

放置しておくとどうなってしまうの?

こちらの病気に関して言えば、
放置しておくと、最終的に失明する可能性が
高くなってしまいます。
そのため、根本的治療が不可能であっても、
しっかりとした治療を受けることが大切になります。

また、視力低下や夜盲、視野が狭くなるなどの症状は
他の病気でも見られる症状になります。
そのため、自己判断で放置しておくのは非常に危険なので、
必ず眼科の診察を受けることが大切に鳴ります。

また、上でも書いたように、この病気には
白内障などを合併症として発症する可能性もあります。
白内障を放置しておけば、また別の意味で失明する可能性も
ありますから、早期の治療と経過観察が
何よりも大切になります。
いずれにせよ、夜に見えにくくなったり、視野が狭くなったり
そういうことに気付いた場合は眼科を受診するのが基本です。

まとめ

進行速度は遅いですが、最終的に失明してしまう可能性も
ある病気です。
ただし、現時点では根本的な治療方法は見つかっておらず
進行を食い止める治療がメインになります。
原因に関しても遺伝的な原因なので、これも
防ぎようがなく、発症してしまった場合に関しては
上手くこの病気と付き合って行きながら
失明を防ぐようにしていくしか方法がありません。

今後、研究が進めば根治が可能になる可能性はあります。

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