冷たい言葉が毒になる!アリス症候群の辛さを理解して!

不思議の国に迷い込んだかのような不思議な視覚障害が
起きてしまう病気が、
「不思議の国のアリス症候群」です。

症状としてはモノが大きく見えたり、逆に小さく見えてしまったり、
モノとの距離感がうまくつかめなくなったり、
おかしなカタチに見えたり、という症状になります。

脳や神経の一部機能が原因ではないかとも言われていますが
詳細については不明で、
治療方法も現在のところ、明確な方法は見つかっていない状態になります。

ただでさえ苦しい状態であるのも確かですが、
アリス症候群に苦しむ人を苦しめてしまうものがあります。
それが”言葉”ですね。

知名度の低い病気であるが故に、なかなか理解してもらうことができず、
時にその無理解が患者の皆様を苦しめてしまうことになるのです。

そんな実態について、書いていきたいと思います。

なお、アリス症候群の基本的な情報については
アリス症候群とは?の記事のほうをご覧下さい!)

こちらでは”無理解”が引き起こす苦しい実態についてお話します。

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知名度が低いために起こる事

アリス症候群の知名度は、一般的には低いです。
神経系統の医師の先生の中ではそこそこ知名度があるようですが、
一般的な知名度は低く、
医療関係者以外の人に「不思議の国のアリス症候群」などと言っても、
なかなか理解してもらえないと思いますし、
最悪の場合は「ふざけたことを言っている」とまで思われてしまう
可能性があります。

実際に特に何の目の病気も、持っていない人に
この病気の話題を出してみましたが
「本当にその病気あるの?」という反応でした。

確かにいきなり「不思議の国のアリス症候群」などと言われると、
実際にはない病気の名前をおふざけで言っていると、
“誤解”されてしまうことはあるかと思います。

私なんかは、目の病気について色々と調べたので、
アリス症候群という言葉についてもピンと来るのですが
全く知らない人からすれば、
なんだか、本当にこんな名前の病気があるなんて、
なかなか実感がわかないと思いますから
最初は誤解されてしまうことも、仕方のないことではあると思います。
課題は知名度ですね。

また、眼科医の先生でもご存知ではない方も多く、
結果的に誤診に繋がったり
「気のせい」「気にしすぎ」などという言葉に
繋がったりします。

無理解は症状を悪化させる

アリス症候群で苦しむ人に対して、
“無理解”な言葉を浴びせてしまうと、逆に症状が悪化してしまう可能性があります。
例えば、周囲の家族や友人、職場などが「そんなものは気のせいだ」だとか
「気にしすぎだ!」だとか「精神病だ!」だとか、そういう辛らつな言葉を
かけることによって、逆に、逆効果になってしまう、ということですね。

これは、アリス症候群が精神的な部分から来ている、
気にしぎから来ているなどの”勘違い”が招くことですね。

どんな病気でもそうですが、
例え、原因が精神的でなかったとしても、
病気の症状には精神面も大事な要素の一つになります。
辛辣な言葉をかけられることによって、精神的に負担がかかり、
アリス症候群の症状が悪化してしまったり、
強いストレスを感じて、さらに別の症状が出てきてしまったりと
そういうようなことも、十分に考えられます。

確かに、自分で実際に経験してみないと
なかなか実感がわかない、と言う気持ちも分かりますし、
ついついきつく言ってしまう、という気持ちも
分からないでもないです。

ですが、一番苦しいのは本人ですし
「そんなの気にし過ぎだ!」と言って
アリス症候群が治るのであれば、
誰も苦労なんかしません。

そんな簡単な病気ではないからこそ、
世の中に、知名度は低いものの、病気として
話が出ているわけです。

もしも、周囲にこのような症状を訴える人がいる場合は、
暖かい目で見守ってあげるようにすることが、大切になります。
くれぐれも辛辣な言葉をかけないようにしてください。
きつい言葉は毒にしかなりません。

完全に理解してあげることは、
視覚の問題ですから、難しいのは分かります。
他人の目に、どのように映っているかを経験することは
できませんからね…
ただ、できうる限り歩み寄ってあげることこそが、
アリス症候群の治療のための第1歩になると思います。

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病院にも理解されないケースが…

アリス症候群は病気としての知名度が非常に低いため、
病院でも理解されないケースがあります。
脳神経外科や神経眼科などではある程度広まっているようですが
眼科などでは診断がつかないケースも多いのだとか。

眼精疲労、ドライアイなどの病名で片づけられてしまい、
目薬などによる治療を続けても効果が出なかったり、
場合によっては眼科の先生にも「気のせい」だとか
「それは気にし過ぎだ」だとか
「そんな病気はない」と言われてしまうようなケースも
存在するようです。

ただ、病院の先生にも理解されず、
病名も分からないまま、あやふやな状態になる、というのは
非常に不安なモノです。

私は別の知名度の低い目の病気「ビジュアルスノウ」に
なり、やはり眼科で診断はつかず、あやふやなまま不安な日々を
過ごすことになりました。
あやふやなまま過ごす不安な日々は、
気持ちも落ち込みましたし、精神的にもやられてしまいそうな
感じもしました。
本当に、”謎”のまま放置状態だったり
「気のせいでしょ?」みたいなことを先生に言われてしまうと
症状で不安を抱えている人にとっては、
本当に不安になってしまうものです。

確かに、知名度が低いうちはそうなってしまうのも
分かりはするのですが、病院の先生に理解されない、
ということはとてもつらいことです。

患者の皆様は、眼科、神経外科どのような科(できれば関係ある科)でも
良いので、アリス症候群と思われる症状をしっかりと
理解してくれて、お話を聞いてくれる先生を
見つけることが大切になります。

知名度の低い病気に関しては
「理解してくれる先生」もしくは「話をちゃんと聞いてくれる先生」を
見つけることこそが、治療のスタートだと私は思います。
「そんなの気のせいだ!」だとか
「それは自律神経失調症ですね」だとか、そういった感じの先生のもとでは、
不安も大きいかと思いますから、
自分と相性の合う先生を見つけ出すことが大切です

知名度の向上が課題

こういった病気で、大切なことが”知名度の向上”になると思います。
知名度が少しでも上がれば、
だんだんと理解してくれる人も増えるでしょうし、
眼科の先生や医療関係者の間にも広がります。

また、研究なども活発になり、治療法の発見にも
繋がるかもしれません。

そういった意味では、知名度の低い病気を、少しでも
認知させていく、ということは自分の治療にとっても
大切なことになるのではないでしょうか。

そう簡単なことではありませんが、
少しずつ、アリス症候群というとてもつらい病気が
広まり、いつの日にか
「あ~アリス症候群ね」という風に、
誰にでもすぐに通じるような状態になれば、と
思います。

まとめ

まるで不思議の世界に迷い込んでしまったかのような
視覚の異常…。
とても、辛い病気です。

目は見えていても、モノが大きく見えたり小さく見えたり
距離感やカタチがおぼろげだったり、
そんな症状が毎日のように続いたら
不安になると思いませんか?
私だったら、不安でたまらないと思います。

そんな状態の人にかけるべき言葉は”辛辣な言葉”では
ありません。
辛辣な言葉をかけてしまえば、さらに、病気で苦しんでいる
本人を追い詰める結果になってしまうのです。

そうなってしまわないためにも、
ほんの少しだけだったとしても、歩み寄りが大切であると思います。

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