飛蚊症(ひぶんしょう)は
視界に黒い虫のような浮遊物や糸くずのような浮遊物が
見えてしまうという症状です。
この飛蚊症は、
生理的なもの(加齢やストレスなど)が原因で
心配する必要のないものと、
網膜剥離などの前兆として現れている
ただちに治療が必要なものが存在します。
こちらでは治療の必要がないとされる
”生理的飛蚊症”を放置していても大丈夫なのかどうか、
飛蚊症歴20年以上の私の経験を元に、語ります。
基本的に放置しても大丈夫
自分の飛蚊症が何なのか、調べておくことは
非常に大切なことです。
上でも書いたように、何の心配もいらない飛蚊症なのか、
網膜剥離やそのほかの病気が原因で出てきている飛蚊症なのかを
しらべておく必要があるためです。
(飛蚊症自体についての解説は飛蚊症とは?の記事でご覧ください)
が、飛蚊症は多くの場合「ストレス」「疲れ」「加齢」など、
特に心配する必要のない”生理的飛蚊症”とされることが多いです。
眼科で検査を行い、そう言われた場合、基本的にはそれ以上
することはありません。
視界に浮かぶ黒い浮遊物は確かに気になってしまうとは思いますが、
それが原因で失明したりすることはありません。
私は、小さい頃から飛蚊症があり、既に20年以上経過していますが
失明していませんし、飛蚊症の症状も、私の場合は悪化していません。
なので、”生理的な飛蚊症”だと言われた場合、
特に心配する必要はなく、
そのまま放置しておいても全く問題ありません。
気になる、というのもだんだんと慣れていくと思いますし、
基本は心配せずに、そのまま付き合っていくカタチになります。
ただし、いくつか注意点などがありますので、
それらをご紹介していきたいと思います。
決めつけは厳禁
まず、飛蚊症の症状が出てきたら、最初は
検査をすることをおすすめします。
「これは心配ない飛蚊症だから」などと思い込んで
放置しておく、ということは危険です。
上で「放置しても大丈夫」と書きましたが
それはあくまでも「病的な飛蚊症でないこと」がはっきり
している場合の話です。
病的なものでなければ、私のように、20年間以上放置
していても、問題はありませんし、
飛蚊症にも慣れます。
が、何も検査していないのに、
これは心配ない飛蚊症だ!などと思い込んでしまうと、
万が一網膜剥離などの前兆現象として飛蚊症が出てきていた場合、
症状が悪化して、最悪、失明に至る可能性もあります。
なので、病的なものでないことは先に確認する必要があります。
生理的か病的か判別はつくの?
自分の飛蚊症が、生理的な飛蚊症なのか、それとも病的な飛蚊症なのか、
その識別をつけることはできるのかどうか。
結論から言えば、これは、素人判断はできません。
例えば、急激に飛蚊症の症状がひどくなった!などであれば
「怪しいな」と思うかもしれませんが、
少量の飛蚊症の症状であれば「これが飛蚊症か~」ぐらいに終わってしまう人も
居ると思いますし、
出現した症状が「生理的な飛蚊症」なのか、
ただちに治療が必要な飛蚊症なのか、これを識別することはできません。
眼科であれば、眼底検査などを行い、
飛蚊症が危険なモノであるかどうか確認できますから、
自分で判断せずに、一度は検査を受けておくことを
おすすめします。
検査を受けるべきパターン
どのような場合に検査を受けるべきなのかどうかを
まとめておきます。
飛蚊症ははじめてだ!という方も、以前、一度検査したことはあるよ~
という方も、下記のような兆候が見られた場合は検査を
行うことをおすすめします。
・飛蚊症の症状が現れた
初めて飛蚊症の症状が出てきた場合は、軽度なものでも
念のため、検査を受けておいた方が良いでしょう。
・急激に悪化した
飛蚊症が生理的なものだと眼科から言われている方も、
急激に悪化(数が増えたなど)した場合は、
ただちに眼科を受診するようにしてください。
生理的飛蚊症になっている人が、網膜剥離にならないかと言えば
そうではありません。
急激に悪化した場合は、今まで自分に起きていた飛蚊症とは別の原因で
飛蚊症が悪化した可能性があります。
以前、検査を受けていて「心配ない」と言われている場合でも
再度検査することをおすすめします。
・他の症状が出てきた
一度検査をしていて、生理的飛蚊症だと言われているなら、
問題はないのですが、もしも他の症状が出てきた場合は
眼科を受診しましょう。
例えば、視野が欠けたり、暗闇でも光が見えたり(光視症)…。
これまでとは違う要因で、何らかの病気になっている可能性もあります。
また、症状に変化が無くても、
頻繁に行く必要はないですが、定期的に検査を受けておくと
安心ではあると思います。
治療はできないの?
生理的飛蚊症…心配ない!と言われても、
目に黒い浮遊物が見えるのは、すごく不愉快なんだけど…
という人も居るでしょう。
確かにその通りです。
だんだん、時間と共に慣れていくとは思うのですが、
不愉快であるのは確かだと思います。
一応、生理的な飛蚊症であっても、治療を行うことは
可能になっており、
手術による治療が行えます。
ただし、手術による合併症・副作用のリスクがあるため、
あまり積極的に行われるものではなく、
眼科から勧められることもまずないと思います。
普通に診察を受けただけでは
「生理的なものですから、心配はいりません。
様子を見ましょう」ぐらいで終わりです。
もしも、どうしても手術を受けたいのであれば
眼科の先生に相談して、ということになりますが、
合併症や副作用などのリスクは高く、
私は、自分だったら、手術は絶対に受けたくないですし、
実際に、受けていません。
数は少ないですが、飛蚊症のレーザー治療などというものも
最近は出てきたようです。
これであれば、副作用のリスクを下げることができますが、
まだまだあまり広まっていないのが実情のようです。
基本は気にする必要なし
生理的な飛蚊症だと分かっているのであれば、
基本的に全く気にする必要はありません。
日によって、多少、見え方が変わったり、ということも
ありますが、これに関してもあまり心配する必要はありません。
普通に生活していても全然大丈夫ですし、
私のように、20年以上飛蚊症と付き合っている人も居ます。
治療はできると言えばできるのですが
リスクも高く、一般的ではない、ということは
お伝えしておきたいと思います。
また、上でも書いた通り、異変があった場合に関しては
しっかりと眼科を受診して、眼科で治療を受けるように
しましょう。
最初は生理的な飛蚊症であっても、跡から別の病気に
なる可能性は充分にありますから、その点に
関してはきちんと検査を受けることも大事ですし、
もしもの場合はちゃんと治療を行うことも、大切になります。
流れとしては
①飛蚊症が出てきたら眼科で検査
②生理的なものであれば、経過観察
悪化や変化があれば検査、なければ放置(定期的に検査を受けるとなお安全です)
という感じでしょうか。
病的なものでないと分かっていれば、放置していて、全く
問題はありません。
まとめ
飛蚊症は、心配する必要がないこともあれば
「怖いもの」であることもあります。
このあたりは検査してみないと分からないので、
初めて飛蚊症が出てきた場合はしっかりと確認を
しておきましょう。
ただし、病的なモノでない場合は
なにも心配はいりません。
何十年と放置しても、失明したりすることは
ないですから(他の病気になれば話は別です)
あとは慣れていく、というのが基本ですね。
私も小さい頃からずっと飛蚊症がありますが、
特に飛蚊症自体は問題にはなっていませんし、
見る時にももう、慣れてしまいました。