飛蚊症（ひぶんしょう）は
黒い虫のようなものが視界の中に
浮遊しているかのように見えてしまう
症状のことで、
場合によっては非常に気になる症状です。
案外、多くの人が程度は様々ですが
この飛蚊症になっており、
中には、小さい頃から
黒い浮遊物が見えていたために
自分が「飛蚊症」であることを知らないような
人もいるのが事実です。
多くの場合、心配はいらない飛蚊症ですが、
”失明”に至る可能性はあるのかどうか、
放置しておいても問題はないのかどうか、
その点についてのお話をしていきたいと思います。
失明の可能性はあるの？
飛蚊症で失明する可能性はあるのかどうか。
答えは「あります」
と、書くと怖くなってしまうかもしれませんが、
厳密に言えば「飛蚊症」そのものが失明を招くのではなく
失明を招く可能性のある他の病気の前段階として
飛蚊症の症状が出現することがある、ということです。
飛蚊症にも色々な原因があり、
その大半は「生理的飛蚊症」と呼ばれるものであり
ただ単に黒い浮遊物が見えるだけ、
つまり、失明の危険性は”ない”ものになります。
加齢だったり、ストレスだったり、疲れだったり、
色々な原因がそこにはあるのです。
ただ、確率は低いのですが
「網膜剥離（もうまくはくり）」と呼ばれる病気の
症状のひとつとしてこの飛蚊症が出ることがあり、
この”網膜剥離”が失明を招く可能性がある、
ということです。
そのため、多くの飛蚊症は心配する必要が
ないものなのですが
もしもこの網膜剥離が原因で飛蚊症を
引き起こしている場合は失明に至る可能性がある、
ということになります。
そう聞くと、飛蚊症が出ている人にとっては
心配だと思いますが
上でも書いた通り”大半の場合”飛蚊症は
病的なものではありません。
私も小さい頃から症状が出ており、
既に２０年以上、黒い浮遊物が見えていますが
失明はしていません。
このように、網膜剥離などの病気以外が原因の
飛蚊症については失明の可能性はありません。
では、失明の危険性について
もう少し詳しく見て行きたいと思います。
（網膜剥離とは？の記事に網膜剥離については
まとめてありますので、どのような状態か、詳しく知りたい場合は
そちらの方でご覧ください）
危険なものか見分ける方法は？
自分に発生した飛蚊症が、
その他の原因によるものなのか、
それとも「網膜剥離」によるものなのかを
見極める方法はあるのかどうか。
確かに、見極めることができれば
便利だと思いますし、
助かりますよね。
ですが、ザンネンなことに
”確実に見極める方法”というのは存在しておらず
飛蚊症の原因が、網膜剥離によるものかどうかを
確認するためには、眼科を受診しなくてはなりません。
先ほどにも書いた通り、
網膜剥離が原因である可能性は”ほんのわずか”です。
が、誰にでも網膜剥離は起きる可能性がありますから、
自分に発生した飛蚊症が、どっちなのかを
判断することはできませんし
眼科で検査を受けない限り、１００パーセントの答えを
知ることはできません。
こうして、ネットでどんなに調べていても
「大丈夫かな」だとか「怪しいな」と思うことは
できても”正解”を知ることはできない、ということです。
それは、このサイトでもそうですし、
他のサイトでも言えることですから、
しっかりと覚えておかなくてはいけません。
ただ、ある程度の”眼科に行って早急に検査をした方が良い
パターン”というものはありますから、
それは覚えておきましょう。
どのような飛蚊症が危険なのかと言うと…。
・急激に黒いものが増えた場合
・黒い浮遊物が異様に多い場合
・液体が垂れるような見え方をしたり、おかしな見え方をする場合
・光のようなものが見えたりする光視症（こうししょう）を併発している場合
・視力など、他の部分にも影響が出ている場合
（※光視症の詳細は別記事で確認してみてください）
このようなところでしょうか。
通常、飛蚊症自体は、視力の低下を招いたり
黒い浮遊物が見える以外に、見え方がおかしくなったり
することはありません。
そのため、他の症状も出ているとなれば
網膜剥離、あるいは別の病気などの可能性も否定はできませんから
眼科で診察をしっかりと受けることをおすすめします。
また、自分自身で強い不安を感じている場合に関しても、
精神的にも悪い影響を与えてしまう可能性がありますから
しっかりと診察を受けることをおすすめします。
検査を受けておけばひとまず安心
最初に飛蚊症の症状が出てきて
それがしばらく続く場合は、一度眼科で
検査などを受けておくと、より安全です。
多くの場合、心配ないとは言え、
網膜剥離などが原因である可能性も決して「０」では
ありません。
上のような強い症状が出ていない場合でも
そういったことが起きている、あるいは起きかけている
可能性は０ではないのです。
そして、先ほども書いた通り
その答えを眼科に行かずに知ることはできません。
基本的に、飛蚊症の症状が出ている場合は
眼底検査（がんていけんさ）などの検査を
行うことになると思います。
その検査を行い、網膜剥離などが起きていないことを
確認できればひとまず安心です。
その場合は、症状が極端に変化したりでもしない限り
生理的なものでしょうから、特別気にする必要はありません。
ただ、あくまでも”ひとまず安心”なのであって、
もしも急激に症状が変化したりした場合は
眼科で再度検査を受けるようにして下さい。
また、定期的な検査をした方がいい、と言われた場合に
関しては出来る限り検査を受けるようにしましょう。
検査までしておけば
基本的に症状に大きな変化が出たりしない限り
ほとんどの場合、安全ですが、
”生理的飛蚊症”が出ている人が
”網膜剥離”にならない、ということは
ありませんから、最初は病的ではない飛蚊症
だったけれども、後から網膜剥離の状態に
なってしまう、ということは充分に考えられることです。
その点はしっかりと注意をするようにしましょう。
網膜剥離って治せるの？
では、網膜剥離になってしまった場合は
必ず失明してしまうのでしょうか？
答えはＮｏです。
必ず失明してしまうどころか、
適切に治療を行えば失明することはまずありませんから
その点は安心して下さい。
あくまでも、網膜剥離の状態になっているのに
それをそのまま放置し続けた場合に失明
してしまう可能性がある、ということです。
治療方法は、網膜剥離の進行状況によって
医師が判断するかたちになりますが、
網膜剥離に気付くのが早ければ早いほど
当然治療もスムーズになると思いますし、
治療内容も比較的優しいものになっていきます。
進行がある程度までであればレーザー治療、
進行してしまっている場合は、手術などによる治療、
ということになるかと思います。このあたりは先生が
判断を行いますが
いずれにせよ、そのまま放置してしまうようなことが
無ければ、網膜剥離を治療することは
充分に可能ですから、怪しいと思った場合は
眼科で検査を受け、早期発見をすることが
大事になります
まとめ
飛蚊症で失明することはある、ということには
なりますが、それは網膜剥離などの病気が
原因であった場合に限られ、
多くの飛蚊症は失明の心配がないものになります。
そのため、ただの飛蚊症の症状なので
あれば、それを過剰に心配する必要はなく、
しっかりと検査をしてさえおけば、
より安心ということになります。
ただし、上のようなポイントについては
しっかりと覚えておき、
いざと言う時に対応できるようにしておくことは
大事なポイントであると思います。
※飛蚊症のその他の情報は
飛蚊症まとめの方にまとめてありますので
そちらからご覧ください。
