自分がビジュアルスノウになってしまった場合、
それを家族に伝えるべきかどうか。
これは、非常に難しい問題です。
私自身もビジュアルスノウになった際に
迷った問題の一つです。
こちらでは、実際の体験も踏まえた上で
”家族にビジュアルスノウになったことを伝えるべきかどうか”を
お話していきたいと思います。
知らないことを前提に考える
まず、ご家族に
ビジュアルスノウに実際になっている人間、
眼科の関係者、知り合いにビジュアルスノウの人間がいる…
などなど、そういったことがなければ
原則として、”ビジュアルスノウのことは知らない”と
考えたほうが良いです。
と、いうのも、
ビジュアルスノウは知名度の低い病気であり、
基本的に知らない人が多いためです。
私も実際に自分自身がなるまで知りませんでしたし、
周囲の人の反応も、やはり知らない人しか
いませんでした。
私の場合は、眼科の先生も「?」という顔を
されていました。
そのため、”相手が分かっている”ことを
前提にお話してしまうのではなく、
”相手はビジュアルスノウを知らない”ことを
前提に話していく、ということが
大事になって来るかと思います。
家族の性格を考える
家族に伝えるべきかどうかを考える際に
大切なポイントの一つになってくるのが
「家族の性格を考える」ということです。
ビジュアルスノウという症状について
家族に打ち明けた時に、
皆様のご家族はどのような反応を
するでしょうか。
自分の中で想像してみてください。
しっかりと話を聞いてくれて、
完全に理解できないまでも
ある程度の理解を示してくれるのであれば
確かに、プラスになるとは思います。
ですが、逆に「そんなの精神的な問題だろ!」だとか
「気のせいだろ!」だとか
そういう風に言いだすような家族の場合は
逆に打ち明けることによって
あなたの精神的な負担をさらに増やす
可能性が高まります。
ビジュアルスノウは精神的なものではありませんが、
精神的な負担が強くなれば、
どんな病気・症状でも、逆にさらに症状が
悪化してしまうリスクは十分に考えられます。
そのため、ご家族との普段のやり取りなどから
判断し”あまり良い反応をしてもらえそうにない”という場合は、
家族に打ち明けるのを控えたほうが
良いかとは思います。
家族に出来ることは少ない
現実的には、家族に打ち明けたところで
家族にできることは”少ない”です。
ビジュアルスノウは、私も実際になってみてわかるのですが
介護を必要としたりするようなものではありません。
非常に辛いことにはつらいですが、
一応、自分自身で生活はできるレベル…であることが
多いかと思います。
そのため、家族に伝えたところで、
家族に出来ることは少ない、というのも
現実です。
家族に出来ることと言えば
心の支えになる…ぐらいのことだと思いますので、
その点も踏まえて、伝えるかどうかを
考えていくことも重要になります。
身近にいる家族が
ビジュアルスノウをある程度理解してくれている、
という状況は、ある程度の心の支えには
なると思いますし
精神的な不安も、人間の体調にとっては
大きなマイナスとなります。
私も、ビジュアルスノウ発症当初は
精神的に不安定な部分も出てきてしまったりで、
結果的に体調を崩してしまっていました。
(今はこちらに関しては完全に回復しています)
そのため、精神的な支えになってくれるだけでも
大きなプラスにはなりますが、
逆に、理解してくれなかった場合などには
自分の精神的な負担を増すことに
なってしまいかねないので、
伝えるべきか、伝えないべきか、という点は
慎重に判断したほうが良いです。
打ち明ける際のポイント
もしも家族にビジュアルスノウのことを
伝えると決めた場合は、
いきなり”ビジュアルスノウ”という単語を
使っても、なかなか理解してもらうことは
できません。
ビジュアルスノウ、という単語が
一般的に浸透していないためです。
そのため、説明する際には一工夫が必要になります。
くれぐれも「理解している前提」で打ち明けたり
「理解すべきだ」みたいな態度で打ち明けたり
することは控えたほうが良いです。
私も打ち明けるような時には、色々注意しながら
打ち明けました。
「なんでそんなこと…」と思う人もいるかもしれませんが
理解しろ!みたいな態度や、理解して当然!みたいな
態度で打ち明けるのは
結果的に自分にとっても悪い結果になる可能性が
高いので、控えたほうが良いです。
相手のためにも、という意味もありますが
”自分のためにも”この点は、注意したほうが良いでしょう。
打ち明ける際のポイントとしては、
「医師に診断してもらえた場合」や
「ビジュアルスノウではないか?」と言われた場合は
まず、医師にそう言われた、ということを示した方が良いです。
いきなり知らない単語を、一個人の口から出されると
人間というものはなかなかそれを信用できないものですが
”医者がこう言っていた”ということを示すことができれば
ある程度信頼を得やすいのです。
そのため、病院などで診察を受けて、ビジュアルスノウだと
言われた場合は、それを家族に伝えるのが一番手っ取り早く、
一番信頼してもらいやすいです。
その上で症状など伝えたほうが良いでしょう。
医師の診断などを受けていない場合や
医師からはっきりと(ビジュアルスノウかもなぁ~レベル)は
断言されていない場合に関しては、
ビジュアルスノウについて書かれた文献や本、
そういったものが見つからないのであれば
ネット上の(できれば医師や病院などが書いているもの)サイト
などを見せながら説明するのが望ましいかと思います。
それでも、100パーセント信用してもらえるかどうか、
ちゃんとわかってくれるかどうかは
ご家族の性格次第、日ごろの自分自身の振る舞い次第に
なるとは思いますが
(例えば、日常的に嘘ばっかりついていたりすると
こういう大事な時に「そんなの嘘でしょ?」に
なってしまう可能性は、厳しいようですが、十分にあることです)
その上で、実物の風景の写真などに
ボールペンなどでも何でも良いので
「自分がどのように見えているのか」ということを
視覚的にご家族に説明することができれば
より効果的であるかと思います。
口で説明されても体験したことがない人からすれば
なかなかイメージがわきにくいのは、事実ですからね。
理解してもらえなかった場合はどうすれば?
家族にビジュアルスノウについて打ち明けても
残念ながら「理解してもらえなかった」と
いうことも、出て来ると思います。
そんな場合はどうすれば良いのか。
これに関しては
「話し合いを続ける」か「話題に出さないようにする」か
しかありません。
戦うか、諦めるか、ということです。
とは言え、何度話しても同じ結果が続く可能性も
十分にあります。
「理解してもらえそうにない」と思った場合は
諦めて、ビジュアルスノウの話題はその人の前では
出さない、ということも方法の一つになります。
いつまでも意見をぶつけていると
逆に自分の精神的負担が強くなってしまう
可能性もあります。
それを避けるためにも、
無理はし過ぎずに、家族に理解してもらえない場合は、
他に誰か(病院の先生などでも十分気持ち的には楽になると思います)
理解してくれる人はいないかどうか、
見つけていく、ということが大事になるかと思います。
まとめ
家族が理解してくれるかどうかは、
未知数です。
これは非常に難しいところになりますので、
自分の家族の性格なども考慮した上で
慎重に判断していきましょう。
打ち明けずとも、生活していくこと自体は
可能です。
(私も、全ての家族に打ち明けているわけではありません)