生活に支障があるのに眼球使用困難症が障害認定されないのは何故?

眼球使用困難症(がんきゅうしようこんなんしょう)
眼瞼痙攣(がんけんけいれん)

これは、場合によっては目を開くことすら困難に
なってしまう、大変苦しい症状を伴うものです。

しかしながら、
これらは、国に視覚障害としても、難病としても
認定されておらず、
患者の皆様は目を使うことができないのにも関わらず、
健常者として、扱われることになります。

重度な方の場合は、目を開けることもできず、
外出もできず、日々苦しんでいて、
一般的な日常生活を送ることができない状態です。

それでも、扱いは健常者。
それは、何故なのでしょうか。
そして、今後の課題とは何なのでしょうか。

※記事中で「障害」や「健常者」という言葉を用いますが、
差別的な目的で用いているわけではなく、
これだけ辛い思いをしている人々がいるという意味合い、
健常者として扱われて周囲に理解されない辛さをお伝えする
意味合いで用いています。
決して、差別的な意味合いでないことをご理解下さいますようお願いします。
「病気」という言葉についても同様です。

どういう病気なの?

別記事で詳しく解説していますので、簡単に説明しますが、
瞼のピクピクなどの症状から始まり、
重症化すると、目を開けていられない状態となり、
機能上の失明状態になってしまいます。

視力は失われませんが、目を開けられない、ということは
目を瞑った状態で想像してみると、よく分かるかと思います。
日常生活に大変大きな支障をきたしてしまいます。

原因については、詳細は不明とされており、
具体的な解明には至っていません。

治療法にしても重症例の場合、根本的な治療は難しく
ボツリヌス療法と呼ばれる注射による治療は存在しますが、
それでも完全に治るわけではない上に、
効果が無い人、逆効果になる人も存在します。

目を開けられない、
開けると激しい眩しさや痛みによって、開け続けることができない。
そんな、恐ろしい症状を伴うものなのです。
眼瞼痙攣が重症化し、目を使うのが困難になってしまった状態を
「眼球使用困難症」と主に呼称するようです。

眼球使用困難症・眼瞼痙攣についての詳細はこちらをご覧ください!

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理解されない、異常なしとされる現実

しかしながら、この病気には、大きな問題があります。
それは「データ上で、異常が見られない」ということです。
これが、大きな誤解を生む最大の原因であり、
患者の皆様が苦しむ原因になります。

まず、目の方に異常は見られず、
視力も出ているため、視力障害としては扱われません。
また、脳などに関しても、
CTやMRIで明確な異常が見られない為に、
こちらでも検査結果上は正常、ということになってしまいます。
そのため、”気のせい”だとか”精神的なモノ”だとか
”健康です”だとかそういう誤解に繋がってしまうのです。

しかしながら、目に見えない異常というものも存在しており、
これらがその一つです。
検査などで見えるものが全てではない、ということですね。
ですが、それを理解してもらうことは非常に難しく、
この病気自体の知名度も低いために、
病院の先生にも理解してもらえない、というのが
今の現実です。

当然ながら、障害認定もされず、
目が使えない、使うのが困難な状態にも関わらず
”健常者”として扱われるわけです。

どうして視覚障害認定されないの?

では、これほど生活に支障が出ているものになのにもかかわらず
どうして視覚障害認定されないのか。

それは「視力や視野の機能で認定しているためで、
視力・視野に異常が見られないため」とのことです。

つまりは、
目に見えるデータ上でしか判断していないために、
実際の状態が無視されている、というのが現状なわけです。

確かに視力や視野に関しては普通に出ている状態ではあります。
ですが、目を開けることができないということは
それを使えない状態であり、異常が見られない、というのは
的外れな考えと言えるでしょう。

が、そのことは国の方でも多少は認知されているようで、
実態把握のための研究や医療関係者などとの意見交換が
行われている、とのことです。
しかしながら、本当に話が進んでいるのかどうかに
関しては、なんとも言えないのも事実ですね。

今後はどうすれば?

しっかりと症状に見合った扱いを受けること、
そして、偏見や無理解を無くすためにはどうしたら良いのか…

やはり、少しずつ”眼球使用困難症”というものの認知度を
広げていくしかないと思います。
地道な道で、大変な道ではあると思います。
が、患者様が立ち上げた会もそうですし、
ネットで少しずつ取り上げられているのもそうです。

確実に少しずつ、知名度は上がっていると思います。

知名度が上がれば眼科医の先生や医療関係者の目に留まり、
医療関係者を通して、国の関係者に伝わり、
いずれ、扱いが変わって行くのではないでしょうか。

それだけではなく、患者様の声が大きくなれば治療法の
研究なども進むかもしれません。

個人の立場で出来ること。
それは、少しでも知名度をあげるために、
情報を発信していくことだと私は思います。

地道な道ではありますが、私のサイトも
ほんのわずかでも、お力になれればと思います。

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まとめ

私は、ビジュアルスノウという別の病気ではありますが、
やはり知名度は低く、理解もなかなかされない病気です。

ビジュアルスノウにしても眼球使用困難症にしても、
知名度や認知を高めていくことこそが
眼科の先生の皆様の診療にも役立つと思いますし、
治療法の研究も進む流れになってくると思います。

眼球使用困難症に関しては、
視覚障害の認定にも繋がるかと思いますし、
情報を発信していくことは、決して無駄なことではないかと思います。

こういう症状で苦しんでいる方もいるんだ、と
少しでも興味を持っていただければ、この記事を書いて
良かったと思いますし、
もしも、そういう方がいらっしゃった場合は、
好きで目を閉じているわけではない、ということは
理解して下さると、患者の皆様への無理解も減って行くと思います。

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