未熟児網膜症とは?新生児の起きる発達上の異常!治療法は?

未熟児網膜症(みじゅくじもうまくしょう)

これは、生れたばかりの赤ん坊に起きる病気で、
新生児の発達途上の網膜血管に異常をきたすことで、
引き起こされる病気です。

赤ん坊の時の発達途上で発生する病気なので、
大人が発症したりする病気ではなく、
生まれたての子供に発症する可能性のある病気、
ということになりますね。

適切に対処が行われないと失明に至るケースなどもあるので
しっかりとした治療が必要になる病気です。

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どのような病気なのか?

網膜の血管の伸びが、発達途上で止まってしまい、
正常に発達せず、枝分かれしてしまったり、目の中心部に向かってしまったりと
異常な増殖を起こしている状態です。

これにより、網膜が引っ張られるなどして、
網膜剥離(症状の詳細はこちらをご覧ください)を引き起こす可能性もあり、
網膜剥離を引き起こしてしまった場合、最悪のケースだと
失明することもあります。

出産直後のお話なので、本人がどうこうする、というものではなく、
ご両親や医師の方が主導して治療していくことになります。

生まれた直後に「目が~」なんて本人が言うことは
無理ですからね…。

原因は何なのか?

この病気を発症してしまう原因は何なのか。
それを見ていきましょう。

原因としては「予定日より早い出産で生まれること」になります。
未熟児で生まれた場合、網膜血管の発達がしっかりと終わっておらず、
母体から出ることによって、異常な増殖をしたり、
変異をしたりしてしまう、というものになっています。

34週未満で生まれ、1800グラム未満の未熟児に
起こりやすいとされており、
未熟児の状態で生まれた赤ん坊は検査を受けるなどして
異常がないかを調べる必要があります。

生まれてからすぐに発症するわけではなく、
生後3週間~6週間の間に発症する、と言われています。

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どのように検査をするの?

検査は、親の任意、と言うよりは、未熟児で生まれてしまった場合、
医師主導で行われます。
検査方法としては眼底検査を行い、網膜の状態などを確認、
場合によっては複数回、定期的に眼底検査を行って
異常がないか、どのような状況なのかを確認します。

その上で、この病気の症状がみられる場合に関しては
状況を判断しながら、必要に応じて
視力障害が発生しないように治療を行っていくカタチになります。

2種類存在する…

この病気は、2種類に分類されています
Ⅰ型とⅡ型ですね。

まず、Ⅰ型と呼ばれるほうは、
徐々に進行していくタイプとなっており、このタイプの場合は
経過を観察しながら、慎重に治療方針を決定していきます。
このタイプでは、症状がいくつかの段階に分けられています。

第1段階、第2段階に関しては、経過観察ということに
なっており、この段階であれば、まだ自然治癒する可能性があるため、
特に手術だとか、レーザー治療だとか、そういうものが行われることは
基本的にはありません。

第3段階になると、異常な新生血管などが伸び始め、
第4段階、第5段階で網膜剥離を引き起こします。
治療が必要になるのは、第3段階からで、第4段階や第5段階に
進んでしまった場合に関しては、手術などが行われることに
なる場合もあります。

Ⅱ型のほうは、危険なタイプとなっており、
低体重、早期出産であればあるほど発生しやすいタイプです。
こちらは急激に症状が進行し、網膜剥離を引き起こす可能性もあり、
失明に至る危険性のあるものですから、早急な治療を要する
タイプになっています。
こちらは、Ⅰ型のように段階分けはされておらず、
早急な治療が必要になります。

症状はどんな感じ?

こちらの病気の症状としては、
「視力障害」「網膜剥離などを引き起こす」「失明」などになります。
赤ん坊の状態で失明の危険がある病気の一つ、ということになりますね。

自覚症状などについては、あったとしても、
本人はまだ言葉を発したりだとか、自分の意思を周囲に
伝えることが出来ない状態です。

そのため、検査を受けて異常があれば、医師の判断のもと
しっかりと治療を行っていく、というカタチになります。

前述の通り、網膜剥離を引き起こす可能性があり、
網膜剥離を引き起こすと、最後には失明してしまいますから、
適正な治療が必要になる病気です。

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治療方法は?治療の必要性は?

まず、この病気になってしまったからと言って、
必ず治療をしなければいけないのか?と言われるとそうではありません。
前述のⅠ型は5段階に分けられているのですが、
そのうちの「第2段階」までは経過観察が行われます。

と、いうのもこの病気は自然治癒することもあるため、
自然に治癒したらしたで、特に何もする必要はないのです。

しかしながら、このⅠ型が第3段階に進んでしまった場合、
そして、Ⅱ型の場合は、治療が必要になります。

治療としては「レーザー治療」「硝子体手術」「水晶体を取り除く」
などの治療が行われます。
基本的にはレーザー治療が行われ、場合によっては数回に渡って
レーザー治療が行われる場合があります。

レーザー手術の効果が見られなかったり、
網膜剥離などの症状が進む場合は、手術が行われるカタチになります。
このあたりは、眼科医が適正に判断し、対処することになります。

治療後はどうなる?

自然治癒した場合に関しては、目への影響はありませんし、
特に、後遺症のようなものが残ることはありません。
手術を行うようなケースだった場合は、
視力障害が残る可能性があり、どのぐらいまで症状が
進行していたかによって、視力の発達が上手くいかず、
眼鏡などが必要になるケースもあるそうです。

ただし、予定より早く生まれた子供に関しては
目の屈折異常など、この病気以外の症状を
起こしやすいのも事実です。
そのため、眼科に定期的に通うことになったり、
場合によってはさらに別の治療などが必要になることもあります。

放置しているとどうなってしまうの?

この病気を放置していると、
自然治癒する場合もありますが、
失明する可能性もあります。

先ほども書いた通り、Ⅰ型と呼ばれるほうであれば、
自然に治癒することもあります。
その場合であれば、放置していても、問題はありません。

が、Ⅰ型が進んでしまった場合、そしてⅡ型の場合は
最終的にずっと、放置を続ければ網膜剥離を引き起こし、
失明します。

そうなってしまわないためにも、しっかりと治療を受けることが
大切ですし、
Ⅰ型かⅡ型かの判断は眼科の先生でなければできませんから、
定期的に検査を受け、状況を把握してもらうようにしましょう。

大人が発症することはあるの?

この病気に関して言えば、生れてきたのが早かったことにより、
網膜血管の異常が生じる病気ですので、
大人が発症することはありません。
他に色々な病気がありますから、当然「網膜剥離」などを
引き起こすこともありますし、
他にも、危険な病気はたくさんあります。

が、未熟児網膜症に関しては生まれたての病気ですから、
大人になった後にこの病気になったりだとか、
そういうことは、ありません。

まとめ

未熟児に起きる病気が、この未熟児網膜症という病気です。
適切に治療が行われないと、失明したり、
後々に視力障害が残ったりしてしまいますから、
しっかりと対応していくようにしましょう。

この病気に関しては病気になっている本人は、
まだ自分で歩くことも話すこともできない状態ですから、
両親や医師のサポートが必要になる病気です。

本人が自分から「目の見え方がおかしい」などと伝えてくれる
わけじゃありません。
要注意の場合は眼底検査などをしっかりと行い、
経過を観察することがポイントになります!

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