目に関係する症状は
全てが”目”が原因とは限りません。
例えば、脳が原因で、視野欠損などは起きたり、
モノが二重に見えたりすることもあります。
一方で、精神的な面に何か問題があり、
視覚障害を起こすこともあります。
それを、心因性視覚障害(しんいんせいしかくしょうがい)と呼びます。
その中でも、視力の部分に影響をもたらすのが
心因性視力障害(しんいんせいしりょくしょうがい)です。
こちらについて、詳しく見ていきましょう。
心因性視力障害とは?
心因性視力障害とは、精神的な面から視力が落ちてしまっている状態です。
この場合、目や、脳、その他の場所には一切異常がないにも
関わらず、視力障害を起こし、視力が低下してしまう、という症状に
なっています。
眼鏡やコンタクトレンズなどを使用しても、視力が回復しないことが
多く、精神的なケアが必要になる状態ですね。
心因性視力障害について、順番に要点を
見ていきましょう。
失明する心配はないのですが、辛いと思いますから、
回復を目指していきたいものです
視力障害の原因は?
目の異常ではなく、精神的なストレスによって、
目に症状が出てしまっている状態ですね。
精神的なストレスによって、何らかの症状が出ることは
よくあることですが、それが目に出てしまった状態です。
年齢層としては小学生や中学生の子供が
中心になっているようですが、
決してその年齢層だけではなく、大人でも
心因性視力障害を起こすことがあります。
”何がストレスになっているのか”
これが原因不明のままになってしまう人も居ます。
症状はどんなもの?
心因性視力障害の症状としては、
人によっても異なるのですが、
下記の通りの症状が出ることがあります。
・視力の低下
・目の痛み
・頭痛や肩の痛みなど
・チック症状
・視野が狭くなるなどの異常
このような症状が出るかたちになります。
視力の低下に関しては
時と場所によって視力が上下したり、
視力検査を行うたびに視力が変化したりするなど、
通常の視力低下とは異なる様子から、判断することができます。
診断はどうやって受ける…?
視力が下がっただけだと、普通の視力低下だという
可能性も十分にあります。
心因性視力障害には、ある特徴などがあり、そこから
診断が行われます。
眼鏡をかけても視力が回復しない、
視力が乱高下する、その他の症状が出ている、
目と脳に異常がない…
これらの条件が重なれば
心因性視力障害と判断されます。
怪しいなと思ったら?
自分では視力が低下したなぁ、と思うだけかもしれません。
お子様の場合は、なかなか気づくこともないでしょう。
もしも、お子様の場合、学校の視力検査などで視力が低下
しているなどのことに気付いた場合は、眼科を受診しましょう。
大人の場合でも、視力が急激に下がったり、
上のような症状がみられる場合は、眼科を受診しましょう。
心因性視力障害がどうこうではなく、
視力が急激に低下した場合などには、別の病気が
隠れている可能性も考えられます。
そのため、早めに眼科での診察を行うことが重要になります。
日常生活に支障のないレベルの微弱な視力低下であれな
心因性視力障害に関係なく、通常の視力低下かもしれませんが、
急激に下がったり、乱高下する場合は
心因性視力障害の可能性も考えられます。
検査方法は?
眼科では視力検査や屈折検査、矯正視力検査などの
各種検査が行われます。
また、場合によっては目に病気が隠れていないかどうか
眼底検査などを行う場合もあります。
眼底検査は、目に瞳孔を開く薬を点眼して、
眼底の様子を確認する検査で、網膜剥離などを中心に、
色々な病気を見つけることができる検査です。
それらでも異常が見つからない場合は神経系統の検査や
脳のCT、MRIの検査などを行います。
また、お子様の場合は、保護者と本人、
医師の方による面談なども大切になります。
色々な面から総合的に判断し、
脳や目に異常がないとされれば、心因性視力障害ということに
なるという流れになります
心因性視力障害の治療は?
心因性視力障害の治療は、目の治療ではなく、
精神的なストレスを取り除き、もしも原因となっている事柄が
分かるのであれば、それに対してのケアを行うことです。
精神的な不安を取り除くことができれば、
視力の方も回復に向かいます。
お子様の場合は保護者の方の理解、信頼できる医師による診察
なども重要になります。
ほか、目薬の処方(安心感のため、という意味合いが強いようです)や、
眼鏡願望のある子供の場合、眼鏡をかけることによって
症状が改善する例などもあるようです。
心因性視力障害の場合、とにかく大事なことは
原因となっている精神的なストレスや不安を見つけ出し、
それを和らげることです。
基本的に心因性視力障害は、子供に多いとされていますが、
大人でも、精神的な原因で、視力が低下することもあります。
大人の心因性視力障害ですね。
この場合もやはり、精神的な原因やストレスを取り除くことが
一番の治療法になります。
ただし、場合によっては心因性視力障害が長期化したり、
治らないといったケースも存在するようです。
そんな場合は心療内科や精神科などを受診し、
先生に助言を貰うのも一つの方法です。
どうしても精神的不安が取れない場合、
成人であれば、抗不安薬などの内服薬が処方されるような
ケースも、存在するようです。
視力は回復するの?失明の危険性は?
一般的な視力低下は回復することはありませんが、
心因性視力障害の場合、原因を取り除くことに成功すれば、
視力は回復に向かいます。
稀に、再発するケースもありますが、それで視力そのものが
失われることはなく、回復します。
また、失明に関してですが、
心因性視力障害では失明の心配はないとされています
精神的不安をしっかり取り除くことができれば、
必ず改善していくので、その点は安心しておきましょう。
放置するとどうなるの?
精神的なストレスなどが無くなれば、放置状態であっても
視力は回復することもあります
また、放置したからといって、失明するようなことはありません。
ただ、症状がどんどん悪化するようであれば、やはり病院を
頼らざるを得ないでしょう。
また、最初から心因性視力障害と決めつけるのは危険です。
視力低下を招く”病気”などもありますから、
それらの場合は放置していると大変なことになりますから注意です。
別の症状も出ている場合
心因性視力障害になっている場合、精神的にストレスや不安を
抱えているわけですから、視力以外の部分でも
何らかの症状が出る可能性があります。
聴力だったり、目以外の部分に症状が出ることもあるでしょう。
そういう場合は、それらに対応した病院で診察を受ける
必要が場合によっては出てきます。
眼科では、耳や、皮膚など、別の箇所の診察は
難しいですし、耳などの病気の可能性もあります。
もしも別の症状も伴う場合は、
そちらの方も個別に治療していくことをおすすめします。
まとめ
心因性視力障害は、精神的なところから来ているものになります。
そのため、眼科や脳神経外科で検査しても、
異常は見つかりません。
通常、子供に多い症状にはなりますが、
場合によっては大人にも起こりうるものになりますので、
その点に関しては、注意する必要があります。
もしも急激に視力が落ちるなどした場合は、
心因性視力障害に限らず、何らかの異常がある可能性があります。
まずは、眼科で診察を受けて、目や脳に病気がないかどうかを
確認するのも、一つの大事なポイントになります。
他の病気がない、と知ることができれば、またそれも
安心感になるかもしれませんからね・・・!