糖尿病白内障(とうにょうびょうはくないしょう)とは、
糖尿病を起因とした白内障のことで、
他の部位の病気が原因となり、
目にも影響を及ぼしてしまう、というものになりますね
白内障とは、
水晶体が混濁することで、徐々に視力の低下などを
引き起こす病気で、通常は加齢に伴い、出現する病気ではありますが、
こちらの糖尿病に伴う白内障は、
合併症として出現するもので、通常の白内障とは少し
異なる部分も存在する病気です。
しっかりと原因や治療法を覚えておき、
もしも糖尿病が原因の白内障になってしまった場合は、
忘れずに、対処するようにしましょう!
通常の白内障については
白内障とは?の記事の方にまとめて
ありますので、そちらの方をご覧ください!
どのような病気なのか?
糖尿病の合併症の一つとして出現する白内障です。
通常の白内障と同じく、水晶体が徐々に混濁していき、
最終的には、失明のような状態になってしまうケースもあります。
通常の白内障と比べると、急速に進行する可能性もあるため、
注意することが必要になります
一方、糖尿病とは
生活習慣病の一つとされている病気で、
生活習慣や肥満、食生活などを起因として発症する病気です。
血糖値が上がることにより、様々な異変を起こします。
糖尿病の主な症状自体は、
喉が渇きやすい、だとかそういうこまかなものではありますが、
心筋梗塞や脳梗塞などのリスクを引き上げてしまうだけではなく、
目の方面でも”糖尿病網膜症”や”糖尿病白内障”の原因となって
しまう可能性があり、放置しておくことは非常に危険です。
”糖尿病の完治”はザンネンながら不可能ではありますが、
症状を抑えて併発症状を出ないようにすることは可能です。
原因は何?
糖尿病白内障の原因は何か?
これは、簡単に言えば”糖尿病”が原因です。
白内障自体は加齢だとか、そういったものも原因になりますから
防ぐことが出来ない場合もありますが、
少なくとも、糖尿病白内障の方に関してだけ言えば、
糖尿病を予防することで、防ぐことが可能になっています。
糖尿病の原因としては”生活習慣病”と呼ばれるぐらいですから
日々の生活習慣、食生活、肥満、運動不足などが
引き金となります。
ただし、これらが原因のものだけではなく、
全体の割合としては少ないですが
”原因不明の糖尿病”が存在しているのもまた、事実ではあります。
どのような症状が出るの?
糖尿病自体の症状に加えて、
この糖尿病白内障では、白内障の症状が出ることになります。
白内障の症状とは、
・視力の低下
・視界がかすむ
・明るいところで見えにくいと感じる
・暗いところでの見え方が変わる(逆に見やすくなるケースも)
・光を眩しく感じるようになる
・目の疲れ(眼精疲労に繋がるケースも)
などの症状になります。
進行すればするほど、こういった症状は悪化し、
最終的には失明に至ってしまうケースもあるため、
厳重な注意が必要になります。
しっかりと目の治療を行いながら、
糖尿病自体の治療を行っていかなくてはなりません。
上記白内障の症状と糖尿病の症状、
場合によってはさらに別の併発症状も
出ることになるため、非常に辛い思いを
することになる可能性もあります。
怪しいなと感じたらどうすれば?
もしも、怪しいなと感じたらどうすれば良いか。
上記で説明したような症状が出ている場合に
関しては、一度眼科で診察を受けたほうが良いでしょう。
もちろん、視力が低下したり、明るいところで
眩しく感じるようになったからと言って、
白内障とは限りませんし、目に病気があるとも限りません。
単なる疲労の可能性もあります。
ただ、下記のような場合は、眼科で検査を受けることおすすめします。
・症状がいつまで経っても回復しない場合
・症状が次第に悪くなっていく場合
・一度治っても、何度も何度も同じ症状を繰り返す場合
・ほかの箇所にも異常が出てきた場合
・糖尿病だと診断されている場合、もしくは糖尿病の可能性がある場合
これらの場合は、
放置することなく、眼科でしっかりと検査を受け、
白内障の症状が出ているのであれば、進行しないように、
治療を進めていかなくてはなりません。
どのように検査を行うの?
糖尿病白内障の検査方法はどのように行うのか。
眼科の基本的な検査各種をおこなうことになります。
視力検査では、現在の目の視力の状態を確認するほか、
視力低下が白内障によるものなのか、単なる視力低下なのかを確認します。
また、細隙灯顕微鏡検査(さいげきとうけんびきょうけんさ)も行われ
光を目に当てることで水晶体の状態を確認します。
この検査は、視力検査と違い、聞き慣れない名前だと思いますが
目に光を当てるだけなので、眩しく感じることはあっても
痛みを感じたりすることはありません。
時間も短時間です。
細隙灯顕微鏡検査の解説も参考にしてみてください。
加えて、糖尿病による白内障かどうかを確かめるために
眼底の検査など、追加の検査が行われて、
診断されていくかたちになります。
眼科診察前に既にほかの病院で糖尿病の診断を受けている
場合に関しては、眼科の先生に予めそのことを
お話しておくことで、より診断がつけやすくなります。
治療方法は?治すことは可能なの?
白内障自体を治療するためには、人工眼内レンズを入れる
白内障手術を行わなくては治癒させることはできません。
症状の軽い場合等は、点眼薬・内服薬などで進行を
遅らせる処置が取られる場合もありますが、
いずれにせよ”時間稼ぎ”の範囲内でしかない、
最終的には、医師と相談しながら、タイミングを
決定し、手術に踏み切る必要があります。
ただし、糖尿病白内障の場合、
糖尿病のほうを放置していれば
根本的な解決にはなりません。
糖尿病の場合、
糖尿病網膜症という病気もありますので、
白内障の治療をおこなった場合でも油断せずに、
血糖値のコントロールをしっかりと行う治療も必要です。
糖尿病に関しては、完治させることは出来ず、
一生付き合っていく病気になってしまいますが、
医師と相談して、コントロールすることができれば、
糖尿病や、白内障の症状を抑えることができます。
放置しておくと何が起きる?
糖尿病白内障を放置しておくとどうなってしまってしまうのか。
放置しておけば、当然のことながら良い影響は全くありません。
糖尿病、白内障共に、悪化していくだけです。
少し調子が良くなったなぁ、と感じるような時期があっても
根本的に自然治癒することはありません。
放置しておけば、最後には目に関して言えば、
失明してしまうでしょう。
そのため、必ず眼科で検査を受け、治療をおこなうことが
大切になります。
糖尿病の方面も、何のコントロールもせずに
放置しておけば、更なる合併症を発症
する可能性もありますし、目に関しても
糖尿病網膜症などを発症してしまう可能性があります。
糖尿病にせよ、糖尿病白内障にせよ、
しっかりと医師の診断のもと、
気長に治療を行っていく必要があります。
長い付き合いになると思いますが、
焦らず、治療を進めていきましょう。
まとめ
糖尿病白内障は非常に重大な病気になります。
糖尿病に関しても、白内障に関しても、
医師の診断をしっかりと受けて、
治療を進めていく必要があります。
通常の白内障とは違い、
糖尿病の症状を併発している上に、
ほかの合併症の症状なども出てくる可能性があり、
状態をしっかりと把握しながら、
この病気と付き合っていく必要があります。
一番の予防策は”糖尿病”にならないこと、では
ありますが、どんなに気をつけていても、
どうにもならないこともあります。
その場合は、病気と向き合っていく必要があります