角膜クロスリンキングとは?円錐角膜の治療法の一つ!

円錐角膜という
角膜の病気があります。

角膜の先端が円錐状に突出してしまうという進行性の病気で、
失明することはまずありませんが、視力の低下などを
引き起こす病気です。
円錐角膜についてはこちらをご覧ください)

そんな円錐角膜の治療方法は、
進行が中程度までの場合はハードコンタクトレンズの利用、
そしてさらに進行してしまった場合は角膜移植の手術が
行われる、というものです。

しかしながら、それ以外にもいくつかの治療方法が存在しています。
保険適応外の治療となり、広く行われているものではないのですが、
別の治療方法も存在している、ということです。

そのうちの一つが角膜クロスリンキングと呼ばれるものです。

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どんな治療方法なの?

角膜クロスリンキングは、ドイツで考案された手法で、
日本ではまだそれほど広く利用されていませんが、
海外では多く利用されている治療方法とのことです。

角膜に特殊な溶液を浸透させ、
そこに紫外線を照射することで、角膜の強度が強くなり、
それにより円錐角膜の進行を抑えることができる、
というものになっています。
若干近視が改善することもあるようですね。

角膜移植などと比べると負担も少なく、
時間は(1時間程度)かかりますが
じっとしているだけの簡単な治療になります。

治療の効果をまとめると
・円錐角膜の進行を抑えることができる
・近視が若干改善されることがある

ということになります。
早期に円錐角膜を発見して、治療を行うことで、
円錐角膜の進行を抑えることができるのです。

手術の手順は?

手術の手順は、眼科医や先生の方針によって
若干異なりますが、基本的な内容としては下記の通りです。

①まず最初に麻酔を点眼します。
麻酔により、基本的に手術中の痛みは感じないため、
その点は安心しても大丈夫だと思います。

②レーザー等で角膜の上皮を取り除きます。
最近では、この項目は飛ばされることも多く、
角膜の上皮を取り除かない状態で、手術が行われる場合もあります。
これは、眼科や病院によって判断が異なります。

③リボフラミンという薬を30分程度かけて
角膜内に浸透させます。
数分ごとに点眼する場合やスポンジなどに浸透させて
行うケースがあるようです。
この段階で少し時間がかかります。

④浸透後、紫外線の照射を5~10分程度行います。

⑤最後に専用のコンタクトレンズを被せて、手術は
終了となります。

所用時間は大体1時間程度となっています。
リボフラミンを浸透させるまでの時間が長いだけで、
それほど、苦痛を伴うような手術ではありませんので、
その点は安心しても良いかと思います。

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保険適応外!その費用は?

この角膜クロスリンキングという治療方法は保険適応外の治療です。
今後、変わる可能性はありますが、この治療を受けるためには
全額負担で費用を支払う必要があります。
片目でも10万円以上はする治療となるため、
非常に大きな費用がかかってしまいます。
そのことは、頭に入れておかなくてはなりません。

ただし、円錐角膜の進行を止めるためには
リスクが全くないわけではないですが、
比較的危険度も低く、進行を止めることのできる有用な
治療方法でもあります。

費用面で厳しい場合は、角膜移植やハードコンタクトレンズを
用いるしか今のところはありませんが、
費用に余裕があるのであれば、検討してみる余地は
充分にあるのではないか、と思います。

手術を受けられる人と受けられない人

この、角膜クロスリンキングはすべてのヒトが
受けられるわけではなく、適応条件と言うものがあります。
検査などの結果、不適合だとされた場合は、
この治療は行われません。

一応、主に言われている条件として
・14歳以上であること
・角膜の厚みが400μm以上であること

が挙げられています。
その他にも、眼科や病院によって詳細な条件があると思いますから
各眼科などに確認してみてください。

また、治療が受けられないパターンとしては
・角膜の厚みが400μm未満の場合
・他の目の病気があり、その病気によって、危険が生じると判断された場合
・心臓ペースメーカーなどを入れている場合
・妊娠中の方
・14歳未満の方
・他の病気などにより危険であると判断された場合

となります。
このあたりは、眼科の方で、もしもこの治療を行う、となった場合には
事前に確認や検査が行われますから、
眼科医の指示に従うようにしましょう!

この治療は受けるべき?

金銭的なこと以外を考えるのであれば、
この治療は非常に有用だと言われていますし、
術後の副作用だとか、注意点も比較的少ないものになっています。
混濁など、そういった症状がみられることはありますが
リスクは低いと考えても良いでしょう。

基本的に点眼と紫外線のみで現在では行うことも
できる技術もあるようですから、苦痛なども少ないかと思います。

ただ、ネックなのは費用ですね。
普通の家庭が「はい!」とさっくり出せる費用でないのは確かでしょう。
もしもこの治療を受けるなら早期の段階であることが望ましいようですが、
このあたりは非常に難しいところです。

受ける、受けないに関してはなんとも言えないところですね…。
自分の金銭事情や、病気への考え方などで、決めると良いかと思います。

まとめ

円錐角膜の有効な治療方法の一つですが、
保険適応外なので、全額負担になってしまうのが
厳しいところと言えるのではないかと思います。

もしも円錐角膜になってしまった場合は、
しっかりとそのあたりも考えながら決めていきましょう。

ただ、この治療法でなくても、
円錐角膜の進行を止めたりすることは可能です。
ハードコンタクトレンズや角膜移植などの方法がありますから
「これをしないといけない」と言うわけではありません。

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