視野欠損…
視界の中で見えない部分がある、という症状が
出てきた場合、何らかの病気を疑ったほうが良いです。
視野が狭くなったり、一部分だけ何も見えなくなってしまったり…。
これらの症状は、緊急を要するものの場合もありますから、
注意が必要です。
視野欠損が起きた場合、考えられる病気などを
ご紹介していきます。
ただし、あくまでもこれは参考用であり、
ここに書くこと以外が原因である可能性も十分に
ありますから、その点は注意して下さい。
また、視野欠損が発生した場合、
なるべく早く眼科などを受診するようにして下さい。
見えない場所がある…。どんな病気が考えられるのか?
一部分だけ見えない箇所がある、という状態を
視野欠損、そして、視野自体が狭くなっていく状態を
「視野狭窄」と言います。
どちらにせよ、視界が狭くなったり、見えない場所が
出てくるので、症状が進行すれば、明らかにおかしい、
ということには気付くことができるかと思います。
ただ、視野欠損は緩やかに症状が進むことが多く、
片方の目に欠損があったとしても、両目でものを
見ていますから、もう片方の目が、その欠損している部分を
補ってしまい、欠損になかなか気付けず、
気付いた時点ではかなり進んでいた、何て場合もあります。
いずれにせよ、失明の危険のある病気などの
症状として出ることもありますから注意が必要です。
考えられる病気、症状を下記に紹介していきます
考えられる病気は…?
視野の欠損で考えられる病気は複数存在しますが、
失明の危険がある病気など、危険なものが多いのも事実です。
いずれにせよ、一度眼科を受診して、ちゃんと見てもらうことを
おすすめします。
下記は、あくまでも目安としてご覧下さい
このほかの病気によっても、視野の欠損が起きることはありますが、
主なものをご紹介していきます。
・緑内障
視野欠損を主な症状とする病気です。
緑内障にもいくつかの種類がありますが、視野が欠損し、
狭まっていき、最終的には失明する危険性もある病気です。
目の眼圧が高いことが特徴的で、眼圧検査や眼底検査などを
行うことで、発見可能です。
失明の危険はありますが、適切な治療を行えば、
進行を止められますので、眼科でしっかりと治療を行いましょう。
なお、初期段階では自覚症状が少ないことが多いので
視野欠損を認識できる、ということはある程度症状が進行している
可能性もあります。
(緑内障についての詳細はこちらをご覧下さい)
・視神経症
目で見た情報を脳に伝える部位の集まりが
視神経です。
その視神経が何らかの障害を起こすことによって生じる症状で、
視野の欠損などを伴う場合があります。
種類は色々ありますが、中には原因不明のものもあります。
治療法は様々で、点眼、投薬、中には外科的手術などを行う場合もあります
・網膜剥離
網膜が剥がれてしまい、最終的には失明にいたる可能性もある病気です。
飛蚊症(黒い虫のようなものが見える症状)や
光視症(暗い場所でも光のようなものが見える症状)が前触れとして
現れることもあります。
上記に加えて、視野欠損が現れることもあります。
飛蚊症などと視野欠損を併発している場合は危険信号です。
治療はレーザー治療、もしくは手術となりますが、
適切に治療ができれば、ちゃんと治る病気なので、心配はいりません。
(網膜剥離の詳細についてはこちらをご覧ください)
・加齢黄斑変性
主に加齢を原因とする病気で、加齢により黄斑部が変性
してしまうことにより、見え方などに異常をきたす病気です。
この病気でも視野欠損を伴うことがあります。
こちらの場合も、最終的に失明に至る危険性もありますから、
年齢的にも、危ないな、と思う場合はただちに眼科を受診しましょう。
(加齢黄斑変性の詳細はこちらをご覧ください)
・網膜色素変性
詳細な原因は分かっていない病気(遺伝関係とされています)ですが、
網膜内の細胞が変質してしまう症状です。
こちらも、進行した場合、視野欠損などの症状が現れることがあります
点眼、内服薬などの適切な治療を行うことで、症状の進行を止めることが可能です。
・脳腫瘍や脳出血、脳梗塞など
視野欠損の原因は、目だけとは限りません。
脳腫瘍や脳出血など、脳の危険な症状が原因の場合もあります。
この場合、両目の視野の片側ずつが欠損する「半盲」という状態になるようです。
どっちの目で見ても、同じ側が欠けている、ということですね。
緊急を要するものの場合もありますから、突然、このような
視野欠損が現れてしまった場合、ただちに病院の診察を
受けた方が良いかと思います。
脳外科と眼科、両方がある病院の方が良いかもしれません。
脳腫瘍により、一部分に暗転ができるうっ血乳頭と呼ばれる
症状もあります。
脳が原因の場合、吐き気やろれつが回らない、しびれなど、
視野欠損以外の症状も出る可能性があります。
万一、そういう症状がある場合、すぐにでも病院に行ってください。
ほかに、網膜出血や動脈閉塞などによる
視野欠損も考えられます。
もちろん、上記以外にも、どんな病気が潜んでいるか、
確実なことは言えません。
実際に、皆様の目を眼科の先生が見て見なければ
分からないでしょう。
ですが、上に並べた病名を見ても分かる通り、
視野の欠損がある、ということは少なくとも
”正常”な状態ではない、ということは覚えておきましょう。
視野欠損を自覚したらすぐに病院へ…!
視野欠損が起きた場合は、すぐに病院に行くことが望ましいです。
目の関係の病気では、最終的には失明に至ってしまうものも
多く存在します。
上でもご紹介した緑内障、網膜剥離などをはじめ、
視野欠損の症状が出る病気は、最終的に失明するケースが
非常に多いです。
もちろん、すぐに失明しないものもありますが、
治療は時間がたてばたつほど、難しいものになっていきますし、
病気によっては、治すことはできても
”失われた部分の視野”は戻らない可能性があります。
また、脳梗塞など、命にただちにかかわる危険性のあるものも
視野欠損の中には存在します。
上でも書いたように「半盲」の状態になっている場合、
脳に何らかの異常が生じた可能性は高いです。
脳の病気は命に係わる可能性が非常に高いですから、
すぐにでも病院に行くようにしてください。
何事もない、放置しても大丈夫ということはない
基本「視野の一部が欠けている」などという状態や
「視野が狭くなっている」という状態はふつうではありません。
何らかの病気が隠れていると考えて、
間違いないでしょう。
場合によっては、緊急性の高い病気である可能性も考えられます。
すぐにでも眼科を受診することをおすすめします。
また、脳の症状が疑われる場合に関しては
眼科と脳関係の科が存在する病院を利用するか、
脳神経外科に行くかした方が良いでしょう。
とにかく、視野欠損が起きた場合、
放っておけば治る、だとか、一時的なモノだ、とか
寝不足だから…だとかそういうことはあまり考えられません。
嫌な気持ちにはなると思いますが
視野に異常が出てしまった場合、
その原因が何なのか、ということはただちに眼科などで調べて、
適切な治療を行っていくことが大切になります。
まとめ
視野欠損は、とても怖い病気の症状として
出てくることも多い症状です。
ですが、それぞれ、早めに治療を開始することができれば
失明を抑えることができますし、
脳が原因だった場合でも、助かる可能性は格段と上がりますし、
後遺症などを残さなくて済む可能性も上がります。
視野欠損を自覚したら、すぐにでも病院を受診する。
これが、大切なポイントになると思います。
くれぐれも我慢しないようにしましょう。