小眼球症とは?生まれつき目が小さい状態!小さいとどうなるの?

小眼球症(しょうがんきゅうしょう)とは、
生まれつき目が小さいというもので、
目の先天的な疾患の一つです。

生まれつきのお話ですから、これを回避するのは
難しく、もしも生まれてきた子供が
小眼球であった場合は医師の指導のもと、
しっかりとした対処を行って行かなくてはいけません。

放置しておくことで、
視力そのものを失ってしまう可能性もありますから、
保護者の方と医師のしっかりとした連携が必要になります

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どんな状態?

その名の通り、眼球が小さい状態で生まれてしまう、
というものです。
胎内での発達の最中に何らかの要因により、眼球全体の
発達が妨げられてしまい、
結果的に眼球が小さいまま生まれることになってしまう、
というものです。

発症頻度はおそよ1万人にひとりとされており、
頻度してはそれほど高いものではありませんが、
誰にでもその可能性があるものであり、
小眼球で生まれた場合に関しては、できる限り
視力を引き出すために、色々な工夫が必要となります。

原因は何なのか?

小眼球の状態で、子供が生まれてきてしまう原因は何なのか。
はっきりと「これをしてしまうと眼球の発達が妨げられてしまう」と
いうことは分かっていないようで、
原因不明の部分も多いようです。

ただし、原因として言われていることもいくつか存在しますから
それらを下記に羅列します。

・風疹などの子宮内の感染
・薬などによる何らかの影響
・アルコールによる影響
・遺伝子の何らかの問題

これらが原因のなり得ると言われています。
ただし、これらのことを全て注意していたとしても、
小眼球の状態で子供が生まれてくる可能性は0ではなく、
確実に防ぐ、というのは難しい、という現実もあります。

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眼球が小さい事により起こる症状は?

症状としては「視力障害」になります。
目が小さいことにより目の中の角膜、水晶体、硝子体、網膜などにも
異常を生じているケースが多く、それらによっても、
視力障害の度合いは変化します。

重症例の場合では全盲状態になってしまうことも。
逆に軽度な場合は、軽い視力障害のみで済む場合もありますが、
いずれにせよ、視力に何らかの影響を及ぼしてしまうことは
確かなことです。

また、併発症状が出やすくなってしまうのも特徴で、
小眼球の状態で生まれた場合、
白内障(はくないしょう)や緑内障(りょくないしょう)、
網膜剥離(もうまくはくり)などの症状を通常よりも引き起こしやすいという
リスクがあります
これに関しては大人になっても続くものであり、
眼科で定期的な検査を受けながら、必要であれば
治療を行う、という形式を取って行くしかありません。

・白内障
水晶体が白く濁って行く病気で、最終的に失明状態に至る可能性も。
視力の低下などが主な症状となります
白内障の詳細はこちら

・緑内障
眼圧の上昇を主要因として、神経が傷つき、視野欠損などを生じる
病気です。こちらも最悪の場合は失明してしまいます。
緑内障の詳細はこちら

・網膜剥離
網膜が剥がれてしまうことにより、重大な視力障害を引き起こす病気です。
この病気も適切な治療を行わなかった場合は失明の危険があります
網膜剥離の詳細はこちら

いくつかの種類が存在する!

小眼球症には、いくつかのパターンが存在しています。
まず「片目」だけが小眼球なのか「両目」が小眼球なのか。
それは人によって異なります。
片目だけなのか、両目とも目が小さいのか、これによっても
症状やその後の対処法が変わってきます。

また、目が小さいと言ってもいろいろな種類があり、
目が小さくても、目の基本構造はしっかりと出来上がっている
「真性小眼球」と呼ばれるものを中心に、
より重度なものとして「極小眼球」、
そして、そもそも目そのものが存在しないケース「無眼球」も
存在しています。
(※無眼球症について詳細はこちらをご覧ください)

程度は人により様々であり、それに応じた
対応方法で対応していく必要があります。

どのように診断されるの?

小眼球症の診断は、生まれたあとの赤ん坊の
目の大きさや、角膜の大きさ、目の長さ、左右のサイズの差などから
診断されていくかたちになります。
もしも小眼球だと診断された場合に関しては
経過を観察しながら、場合によっては早急な対処などが
必要になる場合があります。

小眼球だと診断された場合でも、必ず全盲、というわけではなく
症状が軽い場合は、治療が上手く進んだ場合に関しては
ちゃんとものを見ることは可能ですから、
必要以上に悲観してしまわないようにすることも、
大切なポイントの一つです。

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治療方法はあるの?

まず、眼球が小さい状態で生まれてきてしまった場合、
眼球を巨大化させることはできません。
そのため、あくまでも”今あるもの”の視力を
最大限引き出す、という方向で治療、調整していくことに
なるのが通常です。

両眼の場合に関しては
視力を引き出すために、眼鏡などによる矯正、
視力を引き出すための訓練などが行われます。
それらによって、できうる限り、発揮することのできる視力を
発揮する、という流れになりますね。
手術や投薬などではなく、眼鏡や訓練によって視力を
引きだすかたちになります。

片眼の場合に関しては
眼鏡、訓練などの効果が見られないこともあるため
治療は行わず、経過観察をすることになる場合もあります。

また、外見上のトラブルなどが生じた場合は
義眼を用いるなどの治療方法もあるようです。

小眼球と言っても人によって、それぞれ症状が異なりますから
それに見合った対処が行われていく、ということになります。
基本的には視力を引き出すための眼鏡や訓練、ということに
なりますね。

なお、上でも書いた通り、小眼球で生まれた場合、
白内障、緑内障、網膜剥離などのリスクも高まります。
それらを発症した場合に関してはそれらに対する
治療を行わなくてはいけません。
それぞれの治療方法に関しては上記の個別ページにて
ご覧ください。
どの病気も重度の視力障害や失明の危険性がある病気になりますから、
早急に治療が必要になります。

日常生活の中で注意すること

それほど重症ではない場合、日常生活に支障の出ない範囲で
生活することは充分に可能です。
軽いものから重いものまであるので、一概には言えませんが、
普通に生活を送っている人も居ます。

ただし、注意しなくてはいけないことは
”併発症状のリスク”ですね。
小眼球の場合、白内障・緑内障・網膜剥離などのリスクは
成人以降も高いままとのことなので、
定期的な眼科検査が必要になりますし、
何かおかしいな?と感じた場合はただちに眼科を受診するように
することも一つのポイントになります。

いずれの病気も治療の開始が遅れると手遅れになったり
重大な障害を残す可能性があります。
特に、小眼球の場合、通常サイズの眼球をお持ちの方に比べて、
手術などの難易度が高まるとされています。
そのため、早急に治療が必要になりますし、
後に影響を残さないためにも、しっかりと眼科を受診することが
大切になっていきます。

人一倍、目の健康状態には気を遣う必要があるでしょう。

まとめ

小眼球で生まれてくる…これは、防ぎようのないことです。
予防することはできても、100パーセント予防できるかと言えば
そうではありません。
小眼球で生まれてきた場合に関しては、それを受け入れて
視力を最大限引き延ばす、ということが大切なポイントになります。

親子ともども、辛い部分も多い症状だと思いますが、
それでも、生れてきた以上は、その目で生きて行かなくてはなりませんから、
出来る範囲での治療や対策をしていくことが
ご本人様の為にも、周囲の皆様のためにもなるのです。

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